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使徒言行録 23章23~35節

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<さて、歩兵たちは、命令通りにパウロを引き取って、夜のうちにアンティパトリスまで連れて行き、翌日、騎兵たちに護送を任せて兵営へ戻った。(31.32節)> 千人隊長は、ユダヤ人たちから引き渡されたパウロを鞭打ち、パウロが彼らから訴えられた本当のわけを白状させようと諮ったが、パウロがローマ帝国の市民であることを知り、彼を縛ってしまったことを後悔した。 しかし、千人隊長は彼らの争いの真相を知りたいと思ったので、ユダヤの最高法院全体の召集を命じ彼らの前にパウロを立たせた。最高法院はユダヤ人指導者の議会を構成し、ローマ帝国はこの最高法院にユダヤ人の地域的な問題について決定権を与えていた。 大祭司アナニア(48~58年在位)は、残忍なことで有名であった。ローマ帝国よりだったという理由でユダヤ戦争初期にユダヤ人反乱軍に殺害された。そのアナニアをパウロは「白く塗った壁よ」と呼ぶが、その言葉は善人ぶるが実際はそうではない人を指す。 最高法院の議員には律法を重んじ、死後の復活を信じるファリサイ派と死後の復活を信じないが、神殿に行き献げ物をすることが重要だとするサドカイ派がいた。両者はいつも対立していた。この場でも対立しその怒りはパウロに向けられ混乱し騒然となった。 千人隊長はパウロを兵営へと助け出した。その夜主はパウロの側に立ち「勇気を出せ。エルサレムで私を証ししたように、ローマでも証しをしなければならない」と命じられた。 夜が明けると40人以上ものユダヤ人たちは、パウロを殺すまで飲み食いはしないという誓いを立てたが、それを聞いた千人隊長は、今夜九時、騎兵と馬を用意し、パウロを総督フェリクスのもとに護送するようにと命じ、フェリクス宛ての手紙を託した。 「彼はパウロを巡るユダヤ人の殺意に満ちた振る舞いとは対照的に、一貫して冷静沈着かつ行動力のある思慮深い人物として描かれています。アンティパリストはエルサレムから北西55㌔もの距離を徒歩で移動したのですから、相当急いだわけであります。」と住谷牧師は説かれている。 昨日は「この世の権力もまた神によって立てられたものであり、悪魔化しない限り地上的正義を実現する使命を持っています。千人隊長はローマ帝国側の権力者としてパウロをユダヤ人たちの陰謀による殺害計画から保護し、パウロに関する裁判について公正を期するため懸命に行動しています。」と結ばれていた。


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