実は我が家、去年の発売直後にかの話題の(笑)「kobo」をとあるところから頂きました。
でも一、二度、無料の電子書籍をダウンロードしてみて以降、放置していたんです。
先日、楽天から電子書籍全品90%offという驚愕?のクーポンが配信されてきたので、これはいっちょkoboで何か読んでみるかと思った次第。
この記事、作品のレビューとkoboのレビューの2本立てです。
まずは作品のレビュー。
- 作者: 吉田 修一
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/04/25
- メディア: 単行本
小さな通信社AN通信の社員、鷹野が主人公。アジアを舞台に、太陽光発電の新技術を巡るきな臭い動きを追い続け、命の危険にさらされます。
アクション、グローバル企業や政治家、同業者との駆け引き。
そう、AN通信は表向きはアジア各地の話題を配信する通信社ということになっていますが鷹野や部下の田岡などは実はいわゆるスパイ。情報を集めては、その情報が一番高く売れると判断されるところに売りつける、という仕事をしているというわけです。
なんというか、吉田修一の他の作品とはがらりと趣が違い、スピードとスリルが満載。映画にできそうだけど、日本で撮ってしまうとなんだかなぁの陳腐な作品になってしまいそうな感じです。
でもね、やっぱり吉田修一。人間の性の切なさや、自分の信念を貫こうとする人の姿などもきちんと描かれていて読み応えがあります。
(とはいえ、最後のあたりでえええ・・・?みたいな設定があったりもしましたが)
鷹野の交渉相手の日本の大手電機メーカー取締役の河野夫妻の哀しい過去の話はもっと膨らませることができたんじゃないかなぁなんて思ったり。伏線じゃなかったのか、がっくし、と思いました。
ということで、あっという間に読み終えてしまったのですが、ここからは電子書籍での読書体験のお話。
この作品、紙の本は結構なボリュームだな、と本屋さんで見かけた時に思った記憶があったのですが、読み終えると「え?もう終わり?」ってなかんじ。作品が面白くてあっという間に読み終えてしまったのか、それとも電子書籍というデバイスで読んだことがその感想につながったのかよくわかりません。
なぜだかスリープモードなのに画面が真っ暗にならないという気分的に落ち着かない仕様になってます。
なんか、気になりませんか???
今は箱に入れてしまっているんですが、箱の中でもずっとこの状態なんですよ。
自宅のソファーで、ベッドでごろごろしながら、そして外出時に電車の中で読んでみましたが、思っていた以上に快適です。なんといってもハードカバーの書籍に比べて軽いのがよいです。
これだったら旅行のときに何冊も重い本を持って行く・・・という苦行からも解放されますね。また、電車で立っているときに読むのもラクでよいなと思いました。
でもいつもはiPhoneの画面に慣れているので、白黒で電子書籍に特化した液晶画面にはなんだか違和感が・・・。
あとマイナス点として、ページめくりは液晶画面をその名のとおりタッチして行うのですがこれが感度が今ひとつ。時々思う通りにページがめくられずイライラしました。
そして外で使うのは微妙に恥ずかしい(汗)
koboってデザインがイマイチでして、写真には撮ってないけど裏面がキルティング風のデザインになってるのですよ。所有のヨロコビが感じられないというのはこの類いのデバイスとしては結構大きなマイナスなんではないかなと思います。
カオリ的結論としては、iPadminiのRutinaモデルが出たら、それにキンドルリーダーのアプリを入れて電子書籍を楽しむというのがベスト、だと思います。
通勤で電車の中で読書する時間が長い、といった場合にはこれ、とってもいいと思います。
もうひとつ。
電子書籍はまだまだ割高です。このハードルがもう少し低くならないと日本での普及には時間がかかりそうかなと思います。そういえば、この前行ったバルセロナでも地下鉄の中でamazonKindleで読書してる人、結構見かけましたよ。日本ではあんまり見かけないよねぇ? わたしが通勤時間帯の電車に乗らないからかな?
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我が家のkoboTouchは今やなんと5,480円。ほんとに電子ブックリーダーだと割り切ればまぁまぁなお買物かもしれませんね。
ちなみに・・・今回「太陽は動かない」を読むにあたって少々設定変更をしていてうまくいかなかったので、koboのコールセンターに電話をしましたが、これがねぇかなりお粗末な対応で、普段ほとんど怒らないわたしが不機嫌になってしまいました。プンプン。