SF界の巨匠であるAアシモフの処女長編が『宇宙の小石』です。
宇宙の小石とは地球のことです。 アイザックアシモフというとファウンデーションシリーズが有名ですが、その舞台はすでに本作で用意されています。 放射能で汚染され、忌み嫌われている地球。宇宙を支配する帝国。特殊な人間だけが使える『マインドタッチ』という相手の精神を読み、操る技術。手軽な武器としての神経鞭。 すべてファウンデーションと共通です。 さて、宇宙の小石は読みきりですので、ひょんなことで地球に放り込まれた老人が、特殊な手術を受けて『マインドタッチ』を獲得し、その能力によって一部地球人の陰謀を暴き、さらにはその暴挙を止めるという話です。 と書くと、何もヘンテツもない話のように思われますが、アシモフらしくミステリ要素が満載で読者を楽しませてくれますし、なにより、この壮大な舞台設定が読者を喜ばせてくれます。 本作は処女長編ですが、むしろ後に書かれたファウンデーションシリーズを読破してから手にとるのがよいのかもしれません。 アシモフの偉大さを感じられると思います。↧