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フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」

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フラ・アンジェリコ(Fra Angelico)は「天使のような修道士」という意味で、実の名は違うらしい。 ドミニコ会修道士になり、3人の画家から学んだ。 ロレンツォ・モナコからは、国際ゴシック様式の影響のもと、鮮やかな装飾的色彩、軽やかなドレープがついた曲線の多い服を学んだ。 ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノからは、金色の使い方や優れた観察眼にもとづく細部の描写を学んだ。 マザッチョからは、幾何学的遠近法による三次元的な空間表現と陽光の効果、どっしりと重みのあるドレープを学んだ。 これらを出発点とし、フラ・アンジェリコは独自の様式を確立していった。 大祭壇画の注文が集まり、中でもサンタ・マリア・ヌオーヴァ病院のために描かれた聖母戴冠は見事だった。これは1435年頃に描かれた114×113㎝の作品で、現在はフィレンツェのウフィツィ美術館にある。金色に輝く華やかな光が画面一杯に広がり、聖人たちの顔を照らしている。イエス、マリアの顔も穏やかで暖かみのある表情だ。 後、コジモ・ディ・メディチによりフィレンツェ市内のサンマルコ修道院が再建され、フラ・アンジェリコたちドミニコ会戒律厳守派の修道士たちを住まわせるようになった。この修道院の2階に上がる階段を昇ると、受胎告知が表れる(1437年~1443年、230×297㎝)。特に朝は天使が描かれている左手から光が差し込み、効果を強調している。 また、同修道院の影の聖母もいい。フレスコ画の下にある色大理石を模したプレートにより、祭壇画としての役割が強調されている。抽象画のように具体的に目に見えないもの、すなわち神性を表してしる。 「知の再発見双書」から読んだ。内容はいいし、図版も多くて見ていて楽しい。ただ、本が小さいので図版が小さいのだけが惜しい。

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