『ミャンマー・ルネッサンス』 根本悦子 2013/04 著者は国際協力NGO・BAJ(ブリッジ・エーシア・ジャパン)を設立・代表。 ミャンマーの現状と支援の様子を紹介する本。 アマゾンでなぜか洋書に分類されている。 ミャンマーは人口6千万人、国土はタイの1.3倍、GDPは430億ドル、1人当たり702ドルだ。135の民族がいて民族対立が起きている。2012年6月にもイスラム教徒の騒乱が起きた。彼らを「ロヒンギャ」と呼べばイスラム教徒の立場だと思われ、「ベンガリ」と呼べばラカイン族(仏教徒)寄りと思われる。 ミャンマーの法律では「国民」は1824年の英緬戦争以前から両親の祖先がビルマに住んでいた人を指す。「準国民」は1948年に独立した時2年間だけ実施された国籍法で国籍を得た人。「帰化国民」は厳しい審査を経て帰化した人と3つに分類している。 ロヒンギャはこのどれにも属さず、「不法移民」と位置付けられている。しかしラカイン州北部では72%がイスラム教徒で、バングラデシュ国境近くの郡では95%がロヒンギャである。ラカイン族はかつてアラカン王国を築いた民族で、「毒蛇とラカインを見たらラカインを先に殺せ」ということわざがあるほど気性が激しい。 2011年8月にテインセイン大統領とアウンサンスーチーが直接対話し、民主化に動いた。スーチーは12年に下院議員となった。テインセインらは自国の発展の遅れと中国依存への危機感から民主化に踏み切ったといわれる。 すでに最大都市ヤンゴンでは土地バブルが発生している。日本人はNATO(No Action Talk Only)とか4L(Look Listen Learn Leave)などといわれ、調査ばかりで実行が伴なわないという印象だ。 社会主義から軍事独裁政権と続いたため、メディアが発達していない。都市と地方では貧富や情報の格差が大きい。 湿潤な地域かと思ったら、中央乾燥地域では乾季に水不足になるそうだ。
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