浅田次郎『お腹召しませ』読了。
さすがにここまで妻や母に冷遇される侍もいるまいが……よくできた短編集。とかく本音と建て前を使い分ける必要のある武士という仕事(?)の悲哀が綴られ、引き込まれてしまう。やっぱり、『女敵討ち』が印象深いかなあ。
梯久美子『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』読了。
日本の敗戦の前に、物量にはるかに勝る米軍を驚かせた硫黄島の戦いの日本側総指揮官・栗林中将のドキュメント。とても丁寧な書きぶり。こんなすばらしい「人物」が、戦いで失われてよかったのかどうか。いろいろなことが「悔しく」思われる本。