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『シティ・オブ・ボーンズ』 マイクル・コナリー

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読み終えて真相が明らかになったとき
真実へ導いてくれるピースが
最初から提示されていたとわかります。
こういう組み立て方はいつも通りうまいです。
しかし、本作はどうにも一本調子な印象が残る。
ボッシュの恋人もあまり魅力的ではなくて残念。

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犬がくわえてきた骨。
それは、虐待された少年の変わり果てた姿だった。
ハリウッド署のボッシュは、この事件を解くべく、
少年の家族を調べはじめる。
が、そこにはさらなる悲劇が待っていた…。
ボッシュ・シリーズ第8弾

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警察葬で行われる弔礼射撃
空砲で吐き出された真鍮の薬莢
ボッシュは警官の葬儀に参列するたびに
必ず薬莢を拾ってきた。
薬莢でいっぱいになった壜。

こういったエピソードは
マイケル・コナリーらしいですね。
センチメンタルで印象的。

以下、未読の方はご注意を

 

*

*

*

ジュリア・プレイシャーは
英雄になりたい病にかかって自爆した。

市警幹部は容疑を自殺した小児性愛者にかぶせ
捜査を切り上げようとする。
真実を探り当て殺人者を捕まえることよりコスト優先。

ジュリアはそんなふうな市警の空気に影響されたのか
しかしそれはボッシュの捜査信条とは
あまりにもかけ離れたふるまいです。

だから私は(大半の読者は)ジュリアを好きになれない。
主人公の恋人に魅力がないなんて、つまらない。

*

「職務とバッジと使命がなければ自分は道に迷うだろうと、
つねに自覚して生きてきた。
この瞬時にボッシュは、それが全部手のなかにあっても、
やはり道に迷うかもしれないと気づくに至った。
いや、それがあるがために、道に迷うかもしれない。」

「もっとも必要だと考えていたものこそが、
ボッシュの周囲に虚無感の帳(とばり)を降ろすものだった。」

「ボッシュは決意した。」

ボッシュの大きな決断でこの本は終わります。

シティ・オブ・ボーンズ (Hayakawa novels)

シティ・オブ・ボーンズ (Hayakawa novels)

  • 作者: マイクル コナリー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 単行本

 


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