Quantcast
Channel: So-net blog 共通テーマ 本
Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

今日の本:『ヒトリシズカ』(誉田哲也)

$
0
0

誉田哲也さんの本を読んだのは実は初めて。
有名どころのシリーズを読んでみたいとおもいつつも、なかなか
どれから手を付けていいか迷っちゃって、結局読みはじめられずにいたのだけど、
短編連作のこの文庫を見つけたので、読みはじめとしては入りやすいかな・・と、
読んでみました。

ヒトリシズカ (双葉文庫)

ヒトリシズカ (双葉文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2012/04/12
  • メディア: 文庫

  内容(「BOOK」データベースより)

  本書は、あなたに新しい興奮をもたらす。それは、第一章「闇一重」で幕を開ける。
  男が拳銃で撃たれて死亡する。犯人逮捕が間近となった矢先、司法解剖をした法医学者から連絡が入る。
  心臓に達していた銃弾は、一度止まってからまた動いたというのだ―。
  第二章 「蛍蜘蛛」で驚愕、第四章「罪時雨」で唖然、最終章「独静加」で…何を見る?―。


うん、読みやすくて、そこそこ面白かったです。



各章で書かれる事件に見え隠れする共通する一人の女の存在。
メインだと思われていた犯人のその陰に、実は別の真実が、シズカという少女の関わる
真実が隠されていた・・・という、ミステリアスさが、なかなか興味をそそられます。
特に、第二章 「蛍蜘蛛」、第四章「罪時雨」は、シズカの毒々しい部分が
読み応え十分に書かれてていて、驚きとともに読みながらも、
恐ろしさを味わいつつも、この結末はどこに行きつくんだろう?という深い興味が誘われました。

そして、五章、六章で展開と結末が訪れるのですが、
この辺は、正直、前章に比べるとインパクトが弱い気がしました。
それなりにわかりやすい納得いくラストではあったのですが、弱い・・・というか、
綺麗に終わりすぎている というのが私の感想。
少女の時のエピソードで、あんなにも毒が強かったシズカのキャラと、
大人になって選んで生きた道とのキャラのギャップがどうもしっくりしなかったのです。
「大人になったから」「いや、本来そういう毒などない人格だったから」という言葉で片おしづけて
しまうには、ちょっと説得する要素が足りてない、
つまりは、もう一、二章エピソードを増やして書いてほしかったな、というところでしょうか。

うん。それなりに面白かっただけに、その辺の物足りなさが残念です。
でも、「よし、他の作品も読んでみよう!」と思わせてくれるには
十分な 作品でした。

さて、次の誉田作品は何を読もうか。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

Trending Articles