昨日、「少年H」の試写会を見に、 道新ホールに行ってきました。 年齢層は、ちょっと高く、 私の親世代が比較的多かったような気がします。 時代は、昭和初期から戦争を経て、終戦に至るまで。 小説家である妹尾河童氏の自らの体験に基づくストーリー。 水谷豊演じる父親と、伊藤蘭演じる母親と、妹、 そして、主人公である肇。 少年Hは、作者肇のHです。 洋服店を営み、外国人との交流も多く、 キリスト教を信仰し、当時では、ハイカラな生活をしていた妹尾一家。 とはいえ、慎ましく堅実に生活していた。 言論の自由が許されない時代、 まっすぐな気持ちを持つHは、 たびたび、一言が多くて、目をつけられる。 疑問を、父親にぶつけてみるも、 以前の父ちゃんだったら、 適切な親父らしいアドバイスをしてくれたが、 戦争が何もかも変えてしまった。 父親も人間。 強い部分も、弱い部分もある。 みな、戦争のせいで、どう生きていけば分からなかった。 終戦を機に、人の心はこれほどまでに変わるのか。 真面目で、正義感が強いH。 Hは、周りの大人たちの豹変ぶりに驚く。 15歳、Hは、自らの足で歩きだす。 水谷さんの父親役が、 とても優しく、子どもの目線になって話す姿勢が、 とても心に残りました。 小学生である肇に対して、 一人の人間として信頼したうえで、諭し、 そして、世の中を教える。 昔の頑固おやじというのでは、全くないところに、 とても惹かれました。 信頼されて育った子どもは、 自分に自信を持って、 世の中に出ていけるのかもしれません。 忘れかけていた大切な事を 思い出させてくれた、そんな作品でした。
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