ドラマの名もなき毒の原作は宮部みゆきさんの誰かSomebodyです。 宮部みゆきさんの著作には名もなき毒という本もあり、これもこの後ドラマになるそうです。 前半は誰かSomebodyで、後半は名もなき毒 という事のようです。 ドラマ 名もなき毒あらすじネタバレ第1話 ドラマ 名もなき毒あらすじネタバレ第2話 ドラマ 名もなき毒あらすじネタバレ第3話 宮部みゆきさんの小説は昔から大好きで多分全ての作品を読んでいると思います。 誰かSomebodyももちろん読了していたのですが、私は宮部みゆきさんの作品は長編でこそ光り輝き、短編はそんなに…と思っていました。 ただ、この誰かSomebodyと名もなき毒は連作のようなつくりで、杉村三郎という人がずっと出ているので長編のような読み方も出来て、なかなか好きです。 宮部みゆきさんお得意の深く鋭い人物描写は秀逸で、杉村三郎をはじめ周囲の人々の顔まで浮かんでしまいそうです。 ここから下、誰かSomebodyのネタバレです。 ドラマを見ている方、これから本を読む方など、ネタバレが嫌な方はご注意下さい。 杉村三郎は今多コンツェルンの社内報を作る広報室に勤めるサラリーマンです。 妻と4歳の子供が居ますが、妻はこの今多財閥の会長の愛娘です。 とは言っても、この妻菜穂子は妾の子であり、今多コンツェルンは既に亡くなっている正妻の息子二人が立派に後を継いでおり、三郎には今多コンツェルンの経営者としての居場所はありません。 妻菜穂子とはふとした事で知り合い、菜穂子が今多コンツェルンの会長の娘である事など何も知らずに恋愛し、結婚したいと思いました。 菜穂子の父、今多コンツェルンの会長は結婚の許しを得ようと会いに来た三郎に、今の職を辞めて、義父が会長を務める今多コンツェルンの社内報を作るためだけに存在する広報室に勤めるように求めます。 昇進はなく、ずっとそこで働くという条件を突きつけられますが、三郎はそれを承諾し、菜穂子と結婚したのでした。 愛する妻、そして娘にも恵まれて三郎は幸せな毎日を送っていました。 ある日、義父の運転手である梶田信夫が自転車に轢き逃げされ亡くなってしまいます。 遺族である姉妹が、犯人逮捕のきっかけになるかも知れないと、亡くなった父である梶田信夫の本を出版したいと希望します。 姉妹は会長に相談し、会長は三郎にその相談に乗るようにと命じます。 妹の梨子は活発な感じで明るく積極的な印象の22才の今風の美人。 姉である聡美は32才で婚約しています。 聡美は父の過去に不安を抱いており、出版には反対の様子です。 聡美が言うには、梶田氏はなかなか職場が安定しない生活をしていて職を転々としていたのですが、聡美が生まれた頃はやっと落ち着いておもちゃ会社に就職していたのだそうです。 しかし、聡美の記憶の中には4才の頃誘拐されたという恐ろしい経験がありました。 聡美は、その誘拐は身代金が目的という感じではなく、恨みからの犯行である誘拐だったような気がしています。 父には社会的に秘密にせざるを得ない何かがあると、ずっと感じていたというのです。 父はその誘拐事件の後、やっと落ち着いたと思ったのに、また職を転々とするようになってしまいます。 数年後、梨子が産まれてやっとタクシー運転手として落ち着きを取り戻しました。 個人タクシーを経て、今多会長専属の運転手となって、聡美や妹の梨子の母が亡くなってからも真面目に勤め、聡美の結婚式もとても楽しみにしていました。 しかし、聡美は父が「結婚までにちゃんとしておかなきゃな。」とつぶやいた言葉にひっかかっていました。 その何かをちゃんとする為に何処かに行き、そして自転車に轢かれたのは、事故ではなく殺人事件なのではないかと恐怖を感じているのです。 また、聡美は父のそんな暗い一面を持つ過去を梨子は全く知らず、今後も知って欲しくないと思っています。 そして姉の聡美は今回の件を会長に託された本の編集者である三郎に過去の誘拐事件の事や父の死の疑問を打ち明けます。 三郎は聡美の婚約者である浜田とも会います。 聡美は、父の事で結婚しても相手に迷惑を掛ける可能性が残っている以上、結婚出来ない、延期して欲しいと言います。 しかし、浜田は聡美の話しも全て聞いた上で、聡美を気遣い、結婚延期などしたくないという浜田を、好青年だと思います。 三郎の調査はなかなか進まず、広報室のシーナちゃんの提案で事件の犯人探しのチラシを配布する事になりました。 事故現場になってしまったマンションの前ででチラシを配っていたときに、なんと三郎も自転車に撥ねられてしまいます。 三郎の怪我は大事には至りませんでしたが、やがて情報が入って来ます。 警察とも話す事が出来て、犯人が浮上します。 犯人は中学生だったのです。 未成年であり、なんとかその少年に自主的に名乗り出て欲しいと、見守る事になります。 そんな頃、梨子に脅迫電話が掛かってきます。 聡美はやはりそんな状態では浜田との結婚は出来ないと、再度結婚を延期すると言い出します。 一方、三郎の携帯に電話が掛かって来ます。 電話は野瀬裕子という女性でした。 聡美が誘拐事件だと思っていたのは誘拐ではなく、実は預けられていただけだったのです。 しかし、聡美が野瀬裕子に預けられていた理由というのは大変な事件あっての事でした。 野瀬裕子は28年前におもちゃ制作会社の事務の女性でした。 裕子の父は酒乱で、ある日裕子はその父を正当防衛で殺害してしまいます。 裕子は梶田夫妻に助けを求めます。 梶田夫妻は裕子のこと庇って隠蔽する事に決めてしまったのです。 そして梶田は夫妻で遺体を2日がかりで山中に埋めに行きました。 裕子はその留守の間に聡美を預かったというのが真実だったのです。 聡美は両親から離れて泣き叫び、裕子は自分が父を殺してしまったばかりで気が動転しており、泣き続ける聡美をどうしたら良いのかわからなくなってしまい、トイレに閉じこめてしったのでした。 それが、誘拐されたという記憶で聡美の心に焼き付いてしまったのです。 遺体はとうとう発見されることなく、梶田夫妻と野瀬裕子だけの秘密として未だにそのままになっていたのでした。 梶田信夫が亡くなったのは、梶田が裕子に、聡美が結婚する事になったと報告し、28年前の暗い記憶を忘れようと裕子に言いに行き、不幸な事故に遭った、という事だったのです。 真相を知った三郎は、では、梨子にかかってきた脅迫電話は何だったのだろうと考えはじめます。 そして三郎は考えた末、あれは梨子の自作自演なのではないかと考えます。 梨子は姉にコンプレックスというのか、姉の恋人を奪い取る癖があって、今回も聡美の婚約者浜田と恋愛関係になっていたのです。 浜田と梨子との関係は、結婚する迄。結婚後は仲の良い義兄妹になるとの約束でしたが、梨子は姉が幸せになるのが妬ましく、聡美が婚約破棄するように暗躍していたのでした。 聡美は実は梨子と浜田の裏切りを勘付いていたのですが、昔からの梨子の性格がわかっていたので、最初は見て見ぬ振りをして我慢していたのですが、結局は破談になります。 轢き逃げの犯人の少年も警察に出頭し、事件は解決するのでした。 亡くなった梶田さんが悪い人ではなかった、死体遺棄は罪ですが、人に恨みを買うような人ではなかった、という事は救われる内容で、轢き逃げ犯も自首という終わりですが、姉妹の根深い不仲はちょっと後味が悪かったですね…。 ドラマ名もなき毒の前半、原作ネタバレ 誰かSomebodyでした。
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