『「夜ふかし」の脳科学』 神山潤 2005/10 著者は小児神経科医。 子供には早寝・早起き・朝食・運動させなさいという本。 眠りは浅い眠りから深い眠り、夢を見ているときと見ていないときなど様々な眠りがセットとなり、これが朝まで何回か繰り返される。新生児の眠りのセットは40~50分。これが成長にしたがって長くなる。大人で90~100分。 ヒトは眠りのセットに合わせて一定時間ごとに動く。そして体を動かした後に、しばしば「覚醒」している。しかし本人が自覚していないのがほとんどである。夜中に目を覚ますのはごく普通のことで、「寝付いたら朝までぐっすり」というのは誤解である。 ヒトの生体(体内)時計は大人も子供も24時間より長い。毎朝リセットしなければフリーラン(徐々にずれる)する。新生児が夜中に目覚めても、暗く鈴かな環境で対応し、24時間のリズムを分からせたほうがよい。 かつて子供は昼間は外で十二分に活動し、夜は疲れ果てて眠るしかなかった。「子供だから夜になったら寝る」のではない。 成長ホルモンは睡眠中に増える。眠らない場合、夜間の分泌は減るが、翌日の日中に増える。結局1日の分泌量は睡眠時間と関係ないことが成人では確かめられている。 日本人の平均睡眠時間は毎年1分短くなっている。ヒトは午前4時と午後2時に生理的に眠くなる。午後2時に眠くなるのは、昼食とは関係ない。午前10時~12時は最も覚醒度が高い。この時間帯に眠いのなら、睡眠が適当でないということになる。 朝気持ちよく起きるためには、「何時に起きるぞ」と気合をいれて寝ることだという。 子供の夜更かしに問題意識を持っていない親が増えたことを危惧している。幼児が成長して学校に行くころに「自然と朝方の生活になる」ということはない。夜更かしは子供の成績や心身の成長に悪い影響を与える。
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