『「住宅ローンが払えない!」と思ったら読む本』 高橋愛子 2013/01
著者は(株)シナジー・マネージメント代表。 ローン破綻で競売をするよりも任意売却の方が有利だという本。
2013年3月31日に中小企業金融円滑化法が期限を迎えた。中小零細企業や住宅ローン債務者の破綻が増えそうだと述べているが、実際どうなんだろう?
金融商品や不動産に関して驚くほど無知な人がたくさんいる。社会のエリートだった人が、ささいなことで転落していく事例が紹介されている。
離婚によるローン破綻が、不意打ちのように襲ってくることがある。購入する時(結婚している時)に連帯保証人になっているためだ。離婚の財産分与で相手側のものになっても、その相手がローンを払えなくなると、いきなり連帯保証人に全額払えと通知が来る。このとき名義変更は関係ない。住宅ローンの連帯保証人は、一度なったら外すのが非常に困難。
ガンや心臓病、脳梗塞といった病気は、ローンの時に入る生命保険でカバーされる。しかし「うつ」のような心の病は生命保険でカバーしない。それがローン破綻になるケースが増えている。
東日本大震災では、液状化の起きた場所の豪華高級マンションを買っていた人が、銀行から「物件の担保価値がなくなったので、追加担保を入れるように」と言われてしまった。8000万円のマンションを購入するような人が自己破産することになった。
一般的にはローンが払えなくなる前に、金融機関にリスケジュールをお願いするのが筋。
いよいよとなれば、債務整理には①任意整理 ②個人再生 ③自己破産 のどれかとなる。
何も行動を起こさないと裁判所が競売を行うが、任意売却に比べて価格が低くなる。任意売却は競売が迫っている時間制限の中で行われる。十分な知識と経験を持つ業者にお願いしたい。
支払の最優先は税金。取立ては金融機関に比べてゆるいので後回しにされがちだが、いきなり差し押さえがくる。不動産に「差押え登記」が入ると任意売却ができない。
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