・垣根涼介著。シリーズ第三作です。
・真介君は今日もいろんな人をリストラしてゆくのでした。
・ターゲット企業がシリーズを追う毎に大きくなってゆく。
・偉大なるマンネリズム。『君たちに明日はないメーカー』とか、ジェネレイトできそう。
・パターンとしては
1. 真介と陽子がデート、色気のないベッドイン。・今回は作者が安心しきってしまい、趣味の車やバイクの話がてんこ盛りだ。事前にデビュー作『午前三時のルースター』を読んでおくと、本作は、より楽しめると思う。 『ビューティフル・ドリーマー』 ・英会話教室の講師がターゲット。 ・『受験も、就職も、再進学も、再就職も、その時その時でなんとなくやってきた私、能力はあるからこれからもなんとなくやっていくわー』っていうスタンスが浮世離れしているけど、まぁ能力があるから、いいのでしょう。 『やどかり人生』 ・旅行会社がターゲット ・これ、作者(垣根涼介氏)そのものでしょ。有名国立大学を卒業 → 大手広告代理店に勤務 → プー → 大手メーカー勤務 → 旅行会社に転職・結婚。。。って ・『受験も、就職も、転職も、とりあえず食うに困らなければいいすよ。能力あるから』っていうスタンスが浮世離れしているけど、まぁ能力があるから、いいのでしょう。 『みんなの力』 ・大手自動車販売会社が舞台。ターゲットは修理部門の主任。 ・『あなたにメンテナンスして欲しいんだ』という、会社ではなく、人に仕事が"付く"ことがあります。社会って。yogiさんも、それでお客さんを増やしているようなものです。 ・いい話なんだけど、タイトルと仕事の内容で結末がわかってしまった。 ・『作家のカキさん』って、これまた垣根涼介氏のことでしょう。 『張り込み姫』 ・表題作。 ・出版社内の写真週刊誌部門廃刊に伴う退職勧奨。 ・確かに東大出てまで有名司会者と女子アナがラブホテルから出てくるところを徹夜で張り込んで、同僚と『寝てない自慢』をする仕事もなぁ、とも思わないでもない。 4作とも、ターゲットが素直すぎるところが、今ひとつ感を増している気がする。 今野敏の『任侠』シリーズも3作目にマンネリを感じた。三作目、というのが分岐点なのか。
2. 日本ヒューマンリアクト社にて社長から次のお仕事・業界の説明。
3. リストラターゲットの人となり、仕事振りの描写
4. 第一回面接。ちょっとアシスタントの美代子ちゃんを気にする。
5. 面接を受けてターゲットが思い悩む。
6. 面接後、陽子に『こんな奴がいてさー』と話す。
7. 面接は3次まであるので、4.~6.が適宣、繰り返される。
8. ターゲットが結論を出して『明日』に向かって歩き出す。