ニューヨークの有名私立探偵ネロ・ウルフは今回、資産家の老紳士から息子を捜して欲しいという依頼を受けた。
その資産家は11年前に金を盗んだのが息子だと思って勘当したが、今になって息子は無実であることが判明したのだった。
そして、毎年家族に送ってくるクリスマスカードの消印がニューヨークだったため、はるばるやってきた。
手がかりはほとんどなく、困ったウルフは新聞に尋ね人の広告を出した。
名前は変えてもイニシャルは同じにしているだろうと推測したウルフは、イニシャルで尋ね人は無実だと呼びかけた。
するとなんと、公判中の殺人事件の被告が同じイニシャルだった。
有名なウルフが無実だと広告を出したものだから、警察やマスコミは大騒ぎするのだった。
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ちょっと前に読んだネロ・ウルフシリーズがおもしろかったので、また読んでみました。
本書はそんなに長くないですが、死者がつぎつぎと四人も出て、謎がどんどん深まっていくというタイプのお話です。
相変わらず、助手のアーチーがキレイな女の人にぼうっとなったり、警察が無能だったり、「お約束」が楽しいです。
そしていつものように関係者を全員集めて、ウルフの推理が披露されます。
昔の探偵はみな一同を集めるわけですが、今じゃ絶対ありえませんよね。
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