「病は気から」 モリエール作 鈴木力衛訳 (岩波文庫) 自分を病気だと思い込んで、薬漬けになっている男を描いた笑劇です。 モリエールの最後の作品で、現在でも上演され続けています。 岩波文庫版の初版は1970年。2008年に改版されました。 訳は分かりやすくて、活字は読みやすかったです。
主人公は、裕福な市民の男アルガン。 自分を病気だと思い込み、医者の言うがままに大量の薬を服用しています。 自分のことしか考えず、ひとり娘を医者の息子と結婚させようとします。 その医者の息子というのは、間抜けな男で… 娘のアンジェリックは、すでにほかの青年と… アルガンの若き後妻は、あることを企んでいて… 女中トワネットは、アンジェリックを救うために一計を案じて… モリエールらしい、とても楽しい喜劇です。 モリエールの最後を飾るに、ふさわしい作品だと思います。 当時の公演では、モリエール自身が、アルガンを演じました。 そして、4回目の公演後に倒れ、そのまま自宅で息を引き取ったといいます。 実に皮肉です。 病気だと思い込んでいる男を演じた本人が、実際は本当に病気だったのです。 そういう運命の皮肉まで含めて、とても興味深い作品です。 他のモリエール作品 「人間ぎらい」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19 「タルチュフ」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26 「町人貴族」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-08 「ドン・ジュアン」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-12 さいごに。(パソコン初期化) パソコンがとても重たくなったので、思い切って初期化しました。 7年前の代物ですが、今はわりと快適に動きます。 ただし、色々なソフトのバージョンアップに、丸一日かかりました。↧