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レビューがAmazonに反映されました。

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藤本晃『浄土真宗は仏教なのか?』サンガ 2013年6月1日 2100円 という本のレビューを投稿していたのが、Amazonに反映されました。 http://www.amazon.co.jp/review/R36WOGPFNEOS2W/ref=cm_cr_pr_perm?ie=UTF8&ASIN=4905425492&linkCode&nodeID&tag (固定リンク)

【ネタバレ】悲しいことが書かれている本。【ネタバレ】
★☆☆☆☆

 著者は浄土真宗本願寺派の寺院に育ったが、真宗の教えでは救われない日々を歩んでいた。

 その後、縁あってテーラワーダの教えに出会った著者は、テーラワーダこそが唯一で真実の本当の仏教であったことを知り、以後、アルボムッレ・スマナサーラ師に師事するなどして、今は幸せな日々を送っている。

 著者の立場からすれば、浄土真宗には救いの要素がなかったということであり、また、テーラワーダこそが、著者が救われる唯一の教えであったということなので、それはそれで良いのだと思う。しかし一方で、著者には理解も納得もできなかったし、もちろん聞くことも今のところ出来ていないようだが、浄土真宗は浄土真宗できちんと仏教なので著者のように心配してくれなくてよい。心配しているとか憂えているとか言いつつ「誹謗正法」をされるのは、かえって迷惑である。

 著者はこの本で終始一貫して、釈尊の直説以外は真実の経ではない、偽経である、という立場を取り、また、そこから、すべての大乗経典を「偽経」であると主張しているが、これはかなり特異な論である。従来、偽経とは「中国成立の経」をさす仏教用語である。釈尊の直説でなければ真実の経ではないということならば、最初期に成立した『阿含経』にさえ後代の影響が皆無ではないのだから、そしてなにより釈尊の「直説」をもとに編集された経はあっても(従来の「偽経」以外のすべての経がそうだが)「直説」そのものの経は現存しないのだから、すべての経が著者の文脈では「偽経」であることになってしまう。これでは著者の論は自家撞着を起こしている。

 また、仏教は釈尊の教説を元にした、仏による、人が仏に成る人のための教えであって、「釈尊の説いた教」だけで成立しているわけではないので、大乗仏教のすべてが仏教ではないとする著者の主張もあたらない。もちろん、大乗経典群やそれ以降の各論釈の中から、現在のテーラワーダから正しいと認定される教説だけを取り出してお墨付きを与えようとする行為にもはっきり言って何の意味もない。また、釈尊が仏陀たり得ているのは釈尊みずからの名乗りもさることながら、他仏との相互の想念が事実であることにもよるし、また、ジャータカが、著者が大乗を蔑んで言う「物語」、真実の物語であるからにほかならないことにもよる。

 本の後半では、著者は自分の真宗理解を示し、これではだめだ! 的に言う。もちろん著者の理解しているような真宗ではアルティメットにだめである。そんな真宗に意味はないし、存在価値もないだろう。しかし著者はまったく真宗を理解しておらず、真宗でないものを真宗だと言ってダメだししているに過ぎない。理解していないものを非難してもそれは無意味であるし、それがテーラワーダによる無理解の真宗非難であるなら完全無欠のカテゴリエラでもある。なぜそんな単純なことに著者は気づかないのか。とても不思議である。ひょっとして知っていてやっているのか。いやそんなことはないと思うのだが。

 ただ、浄土の真宗を生きる者として、反省せねばならないのは、他のレビュアの方も言及していたが、そしてこのレビューの冒頭にも書いたが、真宗の僧侶が、自分は真宗で救われない(と勘違いしている)という現実がままあるということである。著者もその一人であるが、これは「よくあること」なのである。真宗としては猛省を迫られているところである、それも、もうずっとしばらくは前から。これは真宗のなにも僧侶に限らない問題である。

 真宗と関係ない(と思っていた)ところで育った人が真宗に魅力を感じて真宗者になる場合もある一方で、真宗と関係の深いはずの人が、育つにつれ、真宗と疎遠になるという悲しいことも、結構起こっているのである。真宗はここを反省しなければならないだろう。これは、著者が非難している安心論題等のいわゆる「伝統教学」の面白さ、奥深さ、現実の自分と直結するすごさなどがまったくその外に広がっていかないのが問題の一つであると思うし、逆に、社会的な「不善」や「差別」などに立ち向かおうとする少なくない僧侶が伝統教学をどちらかというと軽んじている傾向にあるのもその一因であろうと、僭越ながら、勝手にそのように思っている。

 わたし自身、かつては自分自身が、真宗には真実がないように誤解し、そのような真宗寺院を後継していくことに忸怩たる思いをしていた時期があったので、真宗の真実を理解していない・理解しようともしない著者の現状は他人事ではないと思う(※わたしの場合はその誤解は払拭されている。著者も悩んでいる「信心」がやはり、難しいというか、自分で得手勝手に「理解」しようとすると、そのまま聞けなくなる。なお、わたしは浄土真宗本願寺派の僧侶である)。正直なんとかしたいと勝手に思ったりもする。

 しかし、一方で、わたしは、自分が仏に成る真実の道だけが真実の道であり、他の仏道は真実の道ではない、ということでは ない と知っているので、今の著者がテーラワーダで幸せならば、それで良いのかなと思うことで、折り合いをつけようとすることにした。(>_<。)

 仏に成るための唯一の真実の道というのは、かならず「わたしにとっての」という言葉が自覚的に実存的に冠されなければ無意味であるし、仏をおとしめることになってしまう。とかく「真実」と「善意」と「正義」が世界を苦しめるのである。それに対し、『七仏通誡偈』にも「自浄其意(自調伏其意)」とあるように、自身が絶対だと思うことと対極の自分として歩めとすすめるのが仏教である。(書いていてヒィィィと思う。わたしはそのように歩めているのか……?)

 本当にもったいないと思う。著者にも阿弥陀仏の救いは届いている。
 藤本さん、真宗を、知ってください。仏教を、知ってください。

 泣いたり、怒ったりしながら読了した。また、怒ったり、泣いたりしながらレビューも完了する。
 「なんで反映されないんだろう?」とAmazonに聞いたら、  すごく丁寧でわかりやすい返信が来ました。たちどころに来ました。  どのくらいたちどころだったかというと、Amazonにメールフォームで「連絡」すると必ず来る「ご意見を承りました!」的な返信よりも先に来たのです。↓すごい。
なお以前この商品にご投稿いただていた5件のレビューにつきましては、ガイドライン「不適切な内容の投稿: 他者が書いたテキストまたは記事から許可なく転用したコメント」に抵触しているため非掲載となっておりました。レビューをご投稿いただく際にはガイドラインをご確認いただきますようお願いいたします。

ご参考までにガイドラインは以下のURLとなっております。

http://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html/ref=help_search_1-1?ie=UTF8&nodeId=747418&qid=1326693262&sr=1-1
 Amazonさんありがとう!とてもわかりやすい!  今まで5件も投稿してたんですね!  わずらわしい思いをさせて、すみませんでした!  そして、転用!転用がガイドラインに抵触していたのですね!!  最新の投稿が掲載されたのも納得です!!  ……   「転用」ではなく、わたしとしては「引用」した上でのレビューだったんだけど、それはAmazonとわたしの見解の相違ってやつかなあと思います。今までの他のレビューでは(もちろん文脈の判断が今回とは異なるんでしょうが)問題なく掲載されているので、引用のすべてがアカンってことではないのでしょう、たぶん。今後はそこのところに気をつけて投稿しようと思いました。  なんせ、しかし、ものの1時間もしないうちに返信が来たので驚きました。休日返上でお仕事なさってるんですね。すごいな……。  とにかく、掲載されて、よかったというか、ホッとしてます。  掲載日が「2013/7/9」になってるのは、投稿・送信がその日だったということだと思います。たしかに、わたしの記憶でも、最初のレビューの投稿がその日です。   (「ポテ」さんからのあたたかいコメント付くかな……?)

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