本日のリス。栗鼠ハウスNO.3。ドールハウス風。廃材工作。端材工作。
一部の端材はWさんよりご提供いただきました。
サルタン王の物語
4冊読み比べてみました。我ながら…(言わぬが花。汗)
リスが出てくる本第370弾。民話詩。全集。
プーシキン全集3 民話詩・劇詩
プーシキン作
北垣信之 訳
河出書房新社
「サルタン王と、その息子、ほまれ高い、たくましい勇者グヴィドン・
サルターノヴィチ公とまことに美しい白鳥の王女の話」という題で
民話詩の項目で紹介されている。詩の形で、人物の役柄の記載
に欠ける。言葉遣いはよい。
リスが出てくる本第371弾。絵本。
サルタン王の物語
プーシキン作
ビリービン絵
山口洋子訳
東京経済
「ヨールカ」「クリスタル」など、日本語にできるものも外来語で
残念。だって、絵本だ。幼児も対象のはずだ。物語形式なのは
上で紹介した全集本より読みやすいが私としては訳は今一つ。
悪いが、「ヨールカ」って訳者が樹の種類を知らないからそのま
まにしたのではないか? と疑いたくなるくらいの出来だった。し
かしこの訳が合う人もいるだろうから私の個人的意見に左右さ
れずにまずは読んでみてほしい。リスの絵がないのも残念。
リスが出てくる本第372弾。絵本。ソビエト絵本傑作シリーズ
サルタン王のものがたり
プーシキン作
コナシェヴィッチ 絵
樹下節 訳
理論社
私としては、この本が4冊中で一番良かった。訳のテンポが
良いし、「バハリハ」の役どころがしっかりわかる。
リスが出てくる本第373弾。絵本
斎藤公子の保育絵本 サルタン王ものがたり
プーシキン 作
ゾートフ 絵
斎藤公子 編
青木書店
リスの絵が一番かわいいのはこの本だと思う。 理論社のも
味があってよいが、こちらのリスの方が万人受けするのでは
ないだろうか。巻末に園児の絵が数点載せてあるのもよい。
読み比べ、訳により白鳥が娘(若い女性の意)だったとわかる
時期が違う。トビが悪い魔法使いだったと言及しているもの、
ないものとある。「母親のバハリーハばあさん」「身内の年寄り
のバハリーハばあさん」「しゅうとばばあのバハリハ」で、役柄
として受ける印象ががらりと変わる。母親としゅうとって違いす
ぎ。チェルナモール(「チェルノモール」「チェルノモル」もあり)も
名前だけのもの、「年寄りの指揮官」「海の精」と変わっている。
最後に語り手が「私もその場にいて麦酒・蜜酒を飲んだ」として
いるもの、記載がないもの。そして「ひげを湿らすほど飲んだ」
としているものと「ひげを濡らしただけだった」で飲んだ量の印
象まで変わる。どれが好きかは各自の好みだろう。どれが正し
いかはわからない。 リスは「森の樅の下で歌を歌い、金の殻の
くるみをかじっていて、実はエメラルド」という不思議で、白鳥の
力でそれを屋敷に移したグビドン(グヴィドン)公はリスの為に
水晶(ガラスという訳もあり)の家を建てた という場面に登場。
以下ネタバレ
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二人の姉の悪巧みにより 樽に入れられ海に流された
王妃とその息子である王子。 何もない島に流れ着き、
トビと争っていた白鳥を助ける。 白鳥は王子を助け島
を立派に整え、王子をその島の領主グビドン(グヴィド
ン。以下グビドンで統一)公とする。 商船が港によるた
び、王子は白鳥の力で虫に姿を変え、サルタン王の宮
殿へ行く。 商人たちはグビドン公の島の不思議を王に
話すが、そのたび王子の伯母たちは 「もっと不思議が
ある」と話す。 虫の王子はその都度伯母を刺し、 逃げ
帰ると白鳥にその不思議を話す。その度に白鳥の力で
その不思議を実現してもらう。 最後の不思議は美しい
姫の話で実は白鳥がその姫と分かり二人は結婚する。
そこへサルタン王が客としてやってきて、自分の妻と息
子を認め、 だまされていたことを知るが、 今はめでたく
済んだことと妃の姉たちを許した。
サルタン王のものがたり (1977年) (ソビエト絵本傑作シリーズ)
- 作者: A.プーシキン
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 1977/03
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