「マンチュリアン・リポート」 浅田次郎著
講談社 講談社文庫 2013年04月12日刊 629円+税
なんとも面白い読み物。題材は張作霖爆刹事件。「治安維持法改悪に関する意見書」を書いて逮捕、収監中の若い陸軍中尉を天皇が密命をもって中国に送り、調査にあたらせた。その報告が「マンチュリアン・リポート」であり、もう一人(?)の語り部がかって西大后の御料車であり、張作霖が奉天に向かって乗った列車の機関車という独特の手法で描いたもの。実はシリーズ前作の「蒼穹の昴」も「珍妃の井戸」も読んでいないのだが、これだけでも十分楽しめた。