「この中に1人、妹がいる!」田口 一 ミステリ仕立ての学園妹ファンタジーラノベ
読了日:2013.05.20 分 類:ライトノベル ページ:261P 価 格:580円 発行日:2010年8月発行 出版社:メディアファクトリー(MF文庫) 評 定:★+ ●作品データ● ---------------------------- 主人公 : 帝野 将悟 語り口 : 3人称 ジャンル: 学園系恋愛もの 対 象 : 男性向け 雰囲気 : ギャルゲー 結 末 : 一応決着、次に続く イラスト: CUTEG 装 丁 : 石松 望 --------------------------- 【100字紹介】 帝野グループ前社長の一人息子・帝野将悟は、生涯の伴侶を見つけるべく、政財界のお嬢様が多く通う深流院学園に編入。
しかし、生き別れの妹が将悟に結婚を迫り、
正体を隠して近付こうとしているらしいことが分かり… TVアニメ化されたラノベシリーズの第1作です。 帝野グループ代表取締役社長が亡くなり、 一人息子の帝野将悟が次期社長としての教育を受けつつ、 生涯の伴侶を探すため、政財界のお嬢様たちが多く通う深流院学園に編入。 そこに、いたずらと思っていた父の葬儀のときに突如あらわれ、結婚を迫ってきた、 姿をまだ見ぬ謎の隠し子の「妹」からの誕生日プレゼントと非通知電話が。 彼女が正体を隠して自分に近付き、結婚を迫ってくる、という窮地に立たされた将悟は、 可愛い女の子たちに次々と迫られるものの…、という ミステリ仕立ての条件付ハーレムものでした。 設定は面白いものがあると思います。 「妹だったら、次期社長候補としてはスキャンダルになってしまうから、 正体が分からないうちは手が出せない」というのは、 かなり上手い抑えだと思います。 これがこの作品のキーポイントですね。 ただ、設定ありきで、いわゆる「ご都合主義」的な展開も随所に。 もう少し自然に描ききれれば、さっぱりしたかも。 全体に、萌えというにはもはや行きすぎで、 ほぼ単なる18禁美少女ゲームと同等、という印象でした。 狙いすぎると面白くないと思うのですが…、 まあ、キーポイントのお蔭で何とか踏みとどまっている、 というところでしょうか。 文章力は、プロとしては最低限を何とかクリアといったところ。 設定で読ませるタイプでしょうか。 まあ、リアリティ皆無のドリーム系ラノベなので、 それでもあまり問題はないのかもしれません。 でもやっぱり、自分で読むにはもう少し筆力がある著者さんがいいですね。 アニメも見ましたし、続きはもういいや、という感じ。 --------------------------------- 文章・描写 :★ 展開・結末 :★★ キャラクタ :★★★ 独 自 性 :★★★★ 読 後 感 :★ --------------------------------- 菜の花の一押しキャラ…特になし 「もちろんですよ。生きてる証じゃないですか。人は傷つきながら生きていくんです。
わたし、そういうの嫌いじゃないです」 (鶴眞 心乃枝)