レスリー・チャンが日本語でレコーディングしたこの曲。 当時、彼が所属していたロックレコードは台湾のメーカーでしたが、レスリーの自宅は香港にありました。俳優として多忙だった彼のタイトなスケジュールの合間をぬって、ボーカル録音とミックスは香港で行われたのでした。 今にして思えば、台湾スタッフと一緒にレスリーの自宅を訪ねたのもとても貴重な体験でした。歌録りは、ジョーダンにあるAVON STUDIO。ボーカルブースにレスリーと二人で入って、ギター弾きながら彼の日本語をチェックしたことや、つたない英語で会話したことも、何もかも全てが懐かしいです! その当時、北角の歌録りの方法は、いくつかのテイクを重ねた後で、OKフレーズをつないで1本のボーカルトラックを完成させるスタイルでした!なので、たぶん4テイクほど録った後で、もう大丈夫です良い歌が録れました!と、レスリーと彼のスタッフさんへお伝えして、エンジニアさんへはつなぐフレーズ箇所の指示を出した後、実はスタジオを出て近所の店へ夕食に出かけました。 で、ちょっとビールも飲んだりして(笑)スタジオに戻ったのですが、なんと驚いたことに、あのスケジュールびっしりのレスリーがまだ残って北角を待っていたのです!驚いてどうしたんですか?と聞いたら、どうしても納得いかないフレーズがあるので、そこだけもう一度歌いたい!とのことでした。 それで、コンソールの前にレスリーと二人座って、彼の気になる箇所をプレイバックしました。なるほど、彼の気にしているポイントはすぐに理解出来たのですが、自分の判断は、それはダメなのではなくて、むしろ魅力的な味なのだ!と感じたので、心配するレスリーに、これで大丈夫だから!と、彼をなだめる形になったのでした! 歌を聴いてもらうと、分かる方にはぴん!と来る箇所があると思います。でも、それは味なんです。 でも、もしも、今の自分なら、もう一度歌いたいと言った彼の気持ちをくんで、歌い直してもらって握手して別れた後で、そのテイクはやっぱり使わないで処理するとか、もっと大人の対応が出来たのに!と思うと、少しはがゆい気もします。 その後、2003年に哀しいニュースが届いて驚きましたが、いろんな意味で大変思い出深い楽曲です。 Leslie Chan - マシュマロ
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