『クラック! CRAC!』
フレデリック・バックえ
ギレーン・パケン=バックぶん やましたはるお やく
発行所 あすなろ書房 1987年11月 初版発行
作者紹介
絵=フレデリック・バック 文=ギレーン・パケン=バック
イラストレーター、舞台装置家、映画監督。
1924年生まれ、アルザス出身。パリえおレーヌで美術を学ぶ。
1948年よりカナダに移り、カナダ国営放送の教育番組の制作に
取り組む。1968年よりアニメーションの創作を手がけ,以来
8作品を制作し、数々の賞を受けている。
文を書いたギレーン・パケン=バックは、ケベック出身の教師。
フレデリック・バック夫人。
1987年には、アカデミー賞受賞(長編アニメーション部門)した『木を植えた男』がある。
これは、荒地となったフランスの山岳地帯にたったひとりとどまって木を植え続け、緑と
水を取り戻した老人の物語。(この絵本の後に、やはり同じあすなろ書房から絵本が出版
されているのをご存知の方は多いと思います)
動物愛護と自然保護、さらに人間愛を一貫したテーマで
アニメーションをつくりあげるその作家精神は
深い感銘と尊敬の念に頭が下がるおもいです。
(この緑色活字の部分はブログ作者の追加文です)
訳=山下明生(やました はるお)
1937年生まれ。広島県能美島に育つ。京都大学仏分科卒業。
主な訳書に「パーパパパ シリーズ」「ビルピート シリーズ」。
主な著書に「うみのしろうま」(野間児童文芸推奨作品賞)
「まつげの海のひこうせん」(絵本にっぽん大賞)「海のコウモリ」
(赤い鳥文学賞)うみべをはしるちかてつジョリ」など多数ある。
(*本書より引用*)
4p まっ白な雪の朝、オネジムはげんきいっぱい、
ウマのグリーズと森へむかいます。
-5p サクラの木をきりにきたのです。だけど、リスはかんかん。
「え。だれだ、ぼくをおいだすのは?」
6p クラック! メリメリ!
木は,大きな音をたててたおれれ、
森じゅうを、ふるえあがらせました。
-
7p 水車は、きもちよくまわり、
みるみるうちに、板ができてきます。
10p しんせきやともだちが、あつまりました。
おめでとう、花よめさん!
みんなでそろって、しゃしんをとります。
あ、インディアンです!
おいわいのせきには、インディアンはだいかんげい。
11p ゆかいに、あしをふみならし、
わらいます。おどります。
ゆりいすも、ゆりいすも、ちょうしをあわせてゆれています。
20p ゆりいすは、すてきなテントになりました。
ぼくはおしろの王さまだい。おまえはただのヒバリのこ。
21p はじめて海にでる、かわいいふねだぞ、たいりょー、たいりょー!
ちいさな王さま、いくさにでかけ……あらら、ウマからおっこちた。
こわれたところは、のりでなおる。ないてるこどもは、キッスでなおる。
30p(最後のページ)「さよなら、こどもたち。ちかいうちに、またきてね」
番人がそっとひきあげたあと、
このしずかなくらがりでおきることは、
ぜったいに、だれにもないしょ。
-31p それはね、なつかしいなかまたちがもどってくるの。
うたっておどって、どんちゃんさわぎ。
ジッグダンスをやろう、リゴドンをおどろう。
バイオリンとわらいごえのはじける中で。
まいばんのおまつりさわぎに、
ゆりいすもむかしにもどって、
げんきいっぱいゆれるのです。
おわり
あとがき
これは、カナダ国営放送でフレデリック・バックが制作した
アニメーション映画「クラック!」をもとに、ギレーン・パケン=バックが
テキストをつけて絵本化したものです。
「クラック!」という擬音に象徴される世の移りかわりを、一つのゆりいすと
一つの家族の歴史のなかで、みごとに表現しています。
物語の背景には,ケベックのカーニバルや結婚式のようす、インディアンが
赤ちゃんをはこんでくるというカナダ・ケベック地方のいいつたえなどが
ていねいに織り込まれ,いかに作者がこの風土を愛してきたかが、
あざやかに感じ取れます。
映画「CRAC!」は、1982年度のオスカー賞をはじめ20以上の賞を受け,
100万におよぶ世界じゅうの観客に大きな感動をあたえました。
この絵本のきめこまかいやさしい絵としみじみとしたストーリーも、きっと
多くの子どもたちの心をひきつけるにちがいありません。
山下明生
. H.Yamasita? 1987











