主人公はバイセクシャルで作家志望の少年、ビリー・アボット。13歳の時に初めて訪れた地元の公立図書館で、ビリーは司書のミス・フロストという「運命の人」に出会う...。
うーん。最初に言ってしまうけど、大好きなアーヴィングの新作ってことで期待が大きかっただけに(そして前作「あの川のほとりで」がすごくよかっただけに)、ちょっと肩すかしだったかなあ。
テーマはヘビーだし、トランスジェンダーやエイズの問題なんかを扱ったけっこう政治的な内容なんだけど、ストーリーとしては(アーヴィングにしては)意外とあっさり薄味。
とくにビリーが大人になってからのくだりはいまいち物足りなさが残ってしまったというか...。もちろん、アトキンスとの再会場面とか、グッと来るようなエピソードもあるにはあるんだけどね。
主人公がバイセクシャルという点を除けば、50年代ニューイングランドのプレップスクール、作家志望、父親の不在、アマチュア演劇、レスリングなどなど、おなじみのモチーフがあいかわらずくり返されて、登場人物にいたっては、これまでの作品のキャラがぞくぞく再登場って感じ。(とくに「ガープの世界」からね。)
まあ、そのへんがまさにアーヴィングのアーヴィングらしいところでもあって、私は決してきらいじゃないんだけど。はは。
ちなみに私はビリーの学校の上級生キトリッジのところで、「ホテル・ニューハンプシャー」のチッパー・ダヴが(外見はちょっと違うんだけど)思い浮かんでしまい、おかげでキトリッジが登場すると、つい目の前にマシュー・モディーンの顔がちらついてしまったのでした。(これ、わかる人にしかわかんないよね。はは。)
In One Person / John Irving (2012)
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「ひとりの体で」ジョン・アーヴィング
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