Quantcast
Channel: So-net blog 共通テーマ 本
Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

かのこちゃんとマドレーヌ夫人/万城目学・著/「鹿男あをによし」の作者が書くほのぼのメルヘン!

$
0
0
かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫)

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 文庫
「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」というタイトルからは、どんな物語なの か全然想像できないなぁ、ってひとは多いでしょうか。 「かのこ(=子鹿の胴体の模様"鹿の子斑"が由来です)」は小学一年生 になったばかりの少女の名前で、「マドレーヌ」は、かのこちゃんの家で 外飼いしている元野良の「メスねこ」の名前です。 お菓子のマドレーヌに色が似ているということで「かのこちゃん」にそう名 付けられためす猫は、ある特異な能力を持っていることと、近所の猫たち がびっくりする伴侶がいることから、近所の猫たちが、尊敬の念もこめて でしょうかね、「マドレーヌ夫人」と呼ぶようになります。 主人公のひとり、ちょっと変わってるけど純粋で優しくてナイーブな「か のこちゃん」の成長物語なんですが、万城目学先生としてはたぶん初挑 戦のジャンルでしょう。「かのこちゃんと・・」は、童話(メルヘン)になりま すかね。大人しか読まないかもしれない、"意外に真面目な児童文学"と いっても良いかもしれませんね。 小学校入学の直前に、急にいろいろなことに関心をもつようになって自 分の住む世界が広がったかのこちゃん。 そのかのこちゃんが、新しい友達との出会いと別れといった体験や、飼い 主とペットという関係を超えたマドレーヌとの信頼関係を築いていく出来事 などを通して、「幼児」から、ずっと先に「大人」につながっていく「子ども」 という段階へと成長していく様子を、ほのぼのとしたテイストで、そして瑞 々しい感性で描いてます。 正直いって、「かのこちゃんと・・」を読む直前まで、あの大ヒット小説「鹿 男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」等のテイスト・・・舞台は古都、歴史(古 代史)ロマンがベースにあるという共通点・・・はこの小説も引き継いでい るだろうと思いこんでいました。それを期待してはいたんですが、それは ハズレてしまいました。 だけど全然ガッカリはしませんでしたね。 だって万城目学ファンとしては、万城目先生が「かのこちゃんと・・」で小説 家としての幅を広げたなぁ、これからも長く活躍してくれそうだなぁって感じ られたんですから、大満足ってわけですよ。 ・・・という感想文だと、あの万城目ワールドはこの「かのこちゃんと・・」で は影をひそめちゃっているのかと思われちゃうかもしれませんね。 そこは全然安心しちゃってください。 猫たちは実は人間の言葉なんて簡単に理解していて、人間たちの、無意 味な言動を冷めた思いで見ている。 もうひとり(一匹の)主人公「マドレーヌ夫人」が仲間の猫たちに一目置かれ る不思議なチカラを使って、夫の玄三郎(実はマドレーヌの旦那さんて、 かのこちゃんの家で飼ってる老犬の玄三郎なんです)のために、あるいは かのこちゃんへの恩返しのために活躍する。 かのこちゃんの父親はかつて鹿と会話をしたことがあるらしい ・・・などなどのエピソードなんかに、万城目ファンだったらけっこうニヤリって すると思うんですよ、ちょっといつもとテイストが違う物語だとしてもね。  (蛇足ながらこの本を読みながらミシェルは、一時期ちょっと話題になった  コミック「今日の猫村さん」を思い出していました。つまり、ミシェルがそうだ  ってわけじゃないんですが、猫好きなひとには「今日の猫村さん」同様に  絶対楽しめるのが「かのこちゃんんとマドレーヌ夫人」ではニャいかニャ~と) えっと、まとめます。 以前から万城目小説を読むたびにいってますが、すごくアタマが良いひとが 親しみやすい文章で書く想像力にあふれた小説(物語)って、実に面白いで すよ、うん、うん。 おわり
きょうの猫村さん 1

きょうの猫村さん 1

  • 作者: ほし よりこ
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2005/07/14
  • メディア: コミック

Viewing all articles
Browse latest Browse all 53333

Trending Articles