コント「人生相談」 その1 (2) 元川 芹香
「すごいミーちゃんもパンツ出したんだ!人間生きている限り、前進あるのみよ。一人でも生きていけるくらいの力をつけないとね。でもさ、ヒモ彼は考えた方がいいかもよ」
今年で銀婚式を向かえ、大学1年生の息子に家事手伝いの娘と、気が遠くなるくらいの住宅のローン。雇い先がある限り働かなければならない。思わず理想が口先からこぼれる。
「ミーって名前じゃないし。おねぇさん、絶縁状叩き付けたミーのねぇちゃんに似ている」 「えっ、誰に叩き付けたの」
「家族全員。まぁしょうがねいんだけどさ。ミーのうち超貧乏で、ねぇちゃんだけ金持ちだから、みんなでたかったんだよね。結果借金が膨らんで、そんなとこ」
「お姉さんは独身?」 「Yes!バリバリ超出来る女。マンション購入、エアーバック搭載…海外旅行の時はいつもピーピーうるさいって言ってた。全身修復完了済」
エアーバックとは豊胸手術で、ピーピーは搭乗前の身体検査をいうのだそうだ。だんだん頭痛がしてきた。
「そうそう、ここの外人講師超カッコイイ。マジ一目惚れしちゃった。バレンタインデーにチョコあげよかな?」
「今彼はどうするの?」 「やだぁ。おねぇさんは超昭和の人だ。キャッハハハ」 『えっ』その時、人物観察を得手とするこの目が、ミーちゃんの喉の大きな突起にクリックした。 (おわり)
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