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『きちんとした日本語がいい人生をつくる』

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『きちんとした日本語がいい人生をつくる』 難波菊次郎 2008/09 きちんとした日本語がいい人生をつくる  著者は(株)プロモテック代取。他にNPO法人理事。 ことば(日本語)を大切にしようというエッセー。  日本語は漢字、カタカナ、ひらがな、ローマ字という4つの文字を持つ。通常一つの言語には一つの文字しかない。世界で最も複雑な表記法であり、同時に世界一豊かで柔軟な表現を可能にしている。  通常の言語では、文字を書くとき単語間を離さなくてはならない。日本語は文章間、単語間の空白も句読点もない文章であっても、読むこと、意味を知ることに不自由ない。  日本語には「男ことば」と「女ことば」という性によって異なる表現方法がある。他国には例がない。戦後の男女平等の思想と女性の生き方の変化で、ことばも変化した。反対の性のことばを使えば、精神状態から動作に至るまでそれらしき感じになる。外見を装うよりも、女ことば男ことばを練磨することで内面の女らしさ男らしさが自然ににじみでるような生き方を心がけたい。  自分の脳内の語彙によって個性が決まる。豊かな語彙が豊かな人格をつくり、貧弱な語彙ではそれなりの人格しか形成されない。  ことばなくしては抽象的な概念を理解することはできない。人間がことばを得たのは、発達した前頭葉のお陰。前頭葉に起因する疾病が見当たらないため、前頭葉の機能には謎の部分が多い。  脳の高次機能は、ことばによって発達する。多くを聞き・読み・知り・語り・記述することが前頭葉への肥やしとなる。気をつけねばならないのは、精神形成の初期段階で出会った思想や宗教に感化されてしまう危険性。  日常生活で使用する語彙は500~1000語。一方読書から得られる語彙は膨大だ。  パプアニューギニアは500万人の人口で600~800の言語がある。100以上の言語が使われている国が、世界に16以上もある。厳密な意味で一国一語の国は、日本のほかは朝鮮半島の南北のみ。


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