メディア制覇を目指す二名の梟雄の物語です。
主人公の二人には明確なモデルがあります。
アームストロングのモデルはロバート・マクスウェルであり、タンゼントはメディアの帝王ことルパート・マードックです。
周知のとおり、マードックはメディア王として健在であり、マクスウェルは財政的に行き詰まり、なぞの死を遂げています。
作者自ら、事実8割、架空2割と明言しているように、物語は二人の人生を時系列にそって流れていきます。
やや中だるみの部分はありますが、二名とも腹黒くて、詐欺同然の手法で成り上がっていくところは、主人公の共感できるかどうかは別として、見所十分です。
こうした大半の事実に架空を織り交ぜる手法は、司馬遼太郎と繋がるかもしれません。
ジェフリーアーチャーのファンだけでなく、ロバート・マクスウェルとルパート・マードックについて知りたいひとにもいいかもしれません。
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