・ポール・ロバーツ著、神保哲生訳。 ・人類の食の歴史から始まり、大規模農場、大規模小売店、アフリカの農業、遺伝子組み換え食品、オーガニック農業、家畜感染症など、現代人の食とその問題点について書かれた大著。 ・2013年、ずっと読んでいた本がこれです。ほぼ一年かかってしまった。 ・ハードカバーなので、なかなか通勤に持ち歩くことができず自宅で読んできたのですが、yogiさんは自宅で読書する習慣がないため、どうも読み終えるのが遅くなってしまいました。 ・常にソファの脇に置いて読んでいくんだけど、遅々として進まない。『ねー『食の終焉』終焉した?』『まだー』というのが我が家の挨拶代わりになり、読み終えた時にはお祝いしました。 ここで本書のアウトラインと著者ポール・ロバーツ氏と訳者神保哲生氏の対談とかが読める。便利な世の中。 食の終焉(ダイヤモンド社書籍オンライン) http://diamond.jp/category/s-endoffood ・プロローグとエピローグ、原註だけ読んでも、まぁまぁオッケーな気もする。 ・原註がおもしろいんですよ。小ネタ集みたい。
一日3回食べることや、決まった時間に家族や仲間と一緒に食事をするといった、食に関する昔からの決め事の多くは、いずれも料理人が決めたことだった。料理人の最大の関心事は労働の負荷を減らすことだが、彼らが調理器具や調理の知識を独占していたために、彼らは人々が何をいつ食べるかについて、絶大な決定権を持っていた。当時の世界では、人々は必ずしも空腹の時に食事にありつけるわけではなかった。人々は食事の用意ができた時に食べたのだ。そしてそれは、食べることや食欲の感じ方に影響を与えた。その時代には、多くの子供たちが、食事と食事の間に空腹感を味わったに違いない。しかし、当時それは当たり前のことであり、大騒ぎしたり苦しんだりすることもなければ、お菓子の自動販売機に飛び付く必要もないと教えられていた。
食品会社は子供の生活の中に限りなく浸透してきている。ニューヨーク・タイムズ紙によると、マクドナルドは31,000校に資金を提供した上で、独自の体育プログラム「パスポート・トゥ・プレイ」を提供している。そこで使われる印刷物にはすべて、金色のマクドナルドのロゴが入っている。
漁業においても、安価な石油のおかげで、かつては行けなかった漁場まで漁船を送ることが可能になったが、その結果、水産資源の枯渇が進んでしまった。・ポール・ボーラン氏の『雑食動物のジレンマ』とも似ているのですが、『雑食動物のジレンマ』が最終的には(下巻の結構な分量を割いて)文化人類学的な、『人間にとっての食とは』というアプローチだったのに対し、本書はよりマクロな視点で、人類がおそらく迎えるであろう、『食の終焉、あるいは現代型食産業が危機に瀕した未来』とその対応方法について著されています。どちらを読んでも面白く、結論も、まぁ、似たところに落ち着いている。 ・内容は非常にバラエティに富んでおり、人類の食の歴史からフランスの養豚業、ウォルマートからアフリカの緑の革命とその失敗・現状、遺伝子組み換え食品、それと対峙するオーガニック農業の可能性と問題点、鳥インフルエンザのパンデミックが起きたらどうなるか、などなど。 ・『中国の大規模オーガニック農場』とかもうわけわからん。 ・『ネスレ・ボイコット』とか。世の中yogiさんの知らないことだらけ。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%83%E3%83%88 ・より安く、より便利なものを求めた結果、世界の農業は歪で、利益を上げることができず、不自然なことが起こっている。 ・でもそれを求めているのは最終的には消費者である我々。この不自然な状態の農業が続いているということは、消費者がそれを許容しているということの証左に他ならない。 ・もしも多少値段が高くてもいいから環境負荷が低く育った食べ物が欲しい、と我々が選択すれば、時間はかかるかもしれないけど、いずれ『そうなる』。自分なりの基準を持って、『モノを買う、食べる』ことに責任を持とう、と思わせる一冊。 ・本書が発売されたのが2012年3月。1ドル/76円換算になっていて、隔世の感。






