フツウのアメリカの歴史の本・教科書といえるものを知らないし読んだこともないので、比較のしようもないが、それでも「呪われた」というほどのモノでもないように思う。だいたい、そもそも、人間の歴史を記述していくと、争い、流血、裏切り・・といったネガティブな内容になるように思う。以前、学習塾で中学生に日本の歴史を教えることになって、あらためて「テキスト」を通読した時の印象も、本書と同じく、人間とは度し難い、どうしようもないものだ・・という思いだ。 本書の「呪われた」と訳出している部分は、“Bloody”である。直訳するなら「血まみれの」「血なまぐさい」といったところだ。人間の歴史に真っ向から向かうなら、おのずと(ネガティブもへちまもなく)「呪われた」内容になる。だから、「血なまぐさい」部分に正面から向かおうとする姿勢その点を、本書において評価できるように思う。 本書では特に、ヨーロッパ人入植後の先住民との関係、また、その後アフリカから連れてきて奴隷とされた人々への処遇、また、銃規制の問題が目を引く。今日のアメリカの根っこにあるもの、そして、現在にも及ぶ影響の数々を知ることができる。「関係」「処遇」というと聞こえがいいが、人種問題の目立たない日本にいては到底理解できない類に思う。 もっとも、以下のような記述もある。日本に関する記述をすこし引用してみる。 「1942年、アメリカがミッドウェー海戦で勝利すると、アメリカ率いる連合軍は太平洋の島々を攻略する長期作戦を開始し、日本軍は激しく反撃した。アメリカ海兵隊は6か月かけてソロモン諸島を占拠したが、ミクロネシアのタラワ島では、1943年、かなりの損失を出した。 / 4500人の日本兵が防備態勢を強化してアメリカ軍の上陸に抵抗しており、76時間以内に1500人以上のアメリカ兵が殺害された。日本軍はほぼ全兵士が最後まで戦いぬき、タラワ島を勝ち取った。そして1200人の朝鮮人労働者を島へつれこみ、島の防衛施設を建設させた。朝鮮人で生き残ったのはわずか129人だった。(第7章「第2次世界大戦」太平洋戦争後半 p159)」
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