「ビギナーズ・クラシックス 伊勢物語」 坂口由美子編 (角川ソフィア文庫) 在原業平らしき色好みの主人公が、元服してから死ぬまでを描いた歌物語です。 平安時代に書かれました。全125段です。色好みの理想像を作り出しました。
昔男がいた。その男は、その歌から考えて、在原業平と見なされています。 業平は平安時代の貴族で、色好みで歌がうまかったと、言われています。 元服早々大人を真似て歌を送り、長年求婚していた女を盗んで鬼に取られ、 都から出て行ったかと思うと、狩の使いで伊勢へ行き禁断の恋をして・・・ 特に第69段、伊勢の斎宮との密通事件は衝撃的です。 それゆえ書名が「伊勢物語」となった、という説が有力視されています。 さて、多くの人びとに愛されている伊勢物語は、様々な訳が出ています。 では、どの本で読んだらいいか。オススメは断然、角川ソフィア文庫版です。 最初に訳が、次に原文があります。この順番がよい。訳を読み飛ばせます。 また、余分な注が無い代わりに、興味をそそる補足説明やコラムがあります。 抄訳なので、125段中56段しかありませんが、ビギナーズには充分です。 入門者用といっても、とても充実しているので、内容には満足するでしょう。 初段の「初冠(ういこうぶり)」では、元服と垣間見の説明があります。 第9段の「東下り」では、業平の出生と都落ちの理由の説明があります。 第6段の「芥川」では、「今昔物語集」の話との比較があります。 第23段の「筒井筒」では、「大和物語」の話との比較があります。 そしてもちろん、第69段の「伊勢の斎宮」では、禁断の恋の説明があります。 「恋をすればすなわち身の破滅を招く」・・・ というように、内容はもちろん、細かいところまで、目が行き届いています。 たとえば、各章段に付けられた小見出しが凝っていて、キラリと光ります。 「芥河はかなき女(ひと)は露と消え」とか、「隅田河問えど答えぬ都鳥」とか、 「斎宮は忍び行けども夢うつつ」とか。思わず読みたくなるタイトルばかり。 本当に丁寧に作られた本です。「伊勢物語」に対する愛を感じます。 最後に、現代語訳「江勢物語」(清水義範作)の紹介まであったりして。 さて、さらに読みたくなったら、俵万智の「恋する伊勢物語」がオススメです。 面白く、分かりやすく紹介しています。「伊勢の斎宮物語」の部分は必読です。 そして、全訳が読みたくなったら、「新版伊勢物語」があります。 ビギナーズ・クラシックスと同じ角川ソフィア文庫から出ています。 さいごに。(ホワイト・ガトーショコラ) 今年のバレンタインデーも、娘は友チョコ作りに忙しそうでした。 ホワイトチョコで、ガトーショコラを作り、私にもくれました。余りを。 でも、とてもおいしかったです。もっと食べたかった!↧






