第四十五話_short 猫志向
「また居眠りしやがって。ちゃんとしろよ」
言われてそっと片目を開けるが、まだ身動きはしない。面倒くせえ。
「またかよ。こいつ言うことをきかないな。首にするぞ」
どうぞ、お好きなように。だけど、いっそう面倒臭いことになる前にト、のそのそと上体を持ち上げて欠伸をする。
「ったく。お前は従順な犬田とは大違いだな」
当たり前だ。私はあのどんくさい男とは違う。しなやかに生きているのだ。
「首にできないのが悔しいよ。お前のその独特の魅力は誰にも真似ができないんだものな。しかし、いい加減に仕事しろ」
「はいはい、わかりましたよ、ボス」
ようやく重い腰を上げ、仕事にとりかかる。だがその前にまず身づくろいしなきゃ。
私はゆっくりとおめかしをはじめる。
了





