■ヒトコト感想
上巻では、巫女の消失と森孝魔王の伝説の真偽が気になり、さらには吉敷と御手洗がどのように事件にかかわるかが楽しみな部分でもあった。トリックについては期待どおりだ。幻想的な出来事として煙に巻くのではなく、現実的な答えを導き出している。ただ、御手洗と吉敷のからみは微妙だ。吉敷は現場に登場したが、御手洗は相変わらず電話での対応となる。
御手洗の強烈なキャラと吉敷の冷静沈着なキャラがどのように融合するのか楽しみだっただけに、少しだけ残念だ。龍臥亭といえば、異様な恐怖感がある。今回も旧日本軍の研究がそのまま現代の森孝魔王の伝説としてよみがえり、伝説の恐ろしさが読者を恐怖へ導く。この恐怖の雰囲気は、龍臥亭でしか出せないのだろう。
■ストーリー
「この頭部、足部を森孝の具足中に葬れ」―血溜まりに浮かぶ生首と切断された片足。発見された第三の死体が、龍臥亭を恐怖の底に叩き落とした。そして、旧日本軍の研究所で行われていた肉体縫合の悪魔的な実験!百年の時空を超えて甦った伝説の魔王は、何処に向かうのか?ファン待望!御手洗潔と吉敷竹史の推理が、いま初めてクロスする。
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