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西の魔女が死んだ

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西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

  • 作者: 梨木 香歩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2001/08/01
  • メディア: 文庫
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。(Amazonより抜粋)
会社の本好きな人から「純粋な人にしか理解できない本」と紹介されました。 私は純粋なのでもちろん楽しめました。 ということにしておきましょう。 冗談はさておき。薦められたのできちんと感想を書くことにします。 これは児童書なのでしょうか。読点が多くて少々まどろっこしく感じます。エピソードも、特にひねったものではありません。なので「それだけ?」と感じる人は少なくないかもしれません。 でも、向いの家のおじさんに対する勝手な思い込みも含め、多感な少女の想いがストレートに感じられて面白かったです。母親とおばあちゃんの想いも、その年頃の読者には理解するのは中々難しいかもしれませんが、大人の読者にはすんなりと入っていけるものだと思うので、「純粋 (笑)」でなくても、大人でも十分に楽しめるのではないかと思います。 私は長編が好きなので短編は物足りなさを感じることも多いのですが、そこは世界観が確立されていたので長さも短さも感じなかったです。まあ、ひねりがない分、長くしたら冗長に感じてしまうだろうと思います。 物語を通して思ったのは、孫にとって、おばあちゃん、特に一緒に住んでいないおばあちゃんは「魔女」なのだ、ということです。このおばあちゃんは少々「できた」おばあちゃんですが、そうでなくても、子育てに忙しいお母さんより、そしていつも一緒にいるお母さんよりも、母親として、人として大先輩であり、そして「生きること」に余裕がある「おばあちゃん」は、どの子供にとっても「魔女」になり得るのではないでしょうか。だから、ここに出てくるおばあちゃんは、実際は魔女ではないのでしょう。その辺が上手に書かれていたのがよかったです。私は両親とも兄弟が多く、祖父母との思い出がほとんどないため、羨ましく思います。 ついでに、収録されていた2作目の方ですが...読んだ直後はいらないと思いました。ただ、よくよく考えてみると、おばあちゃんの事を忘れてしまったような感じとか、向いの家のおじさんに対する印象とかが、あの年頃の子供にありそうな出来事でそれはそれで悪くはないし、面白いと感じる人も少なくないかと。でも、私はやっぱり1作目だけで良かったなと思います。 ......ということで、紹介していただいた分のお返しはできたでしょうか......? ところで、この本を紹介してくださった方が以前「英語の本が読みたい」と言っていたので、ワタクシも英語が簡単で面白い本を紹介したのですが、その名も、 悪童日記 しかも原書はフランス語...。 上の本とは少々趣が異なるので、こんな本を薦めてくるなんて!と軽く怒られてしまいました。ごめんなさい。いや、でも、きっと、それはそれで、面白い、と、思い、ま、す...。

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