日本の歴史小説とか戦国時代もののドラマや漫画が好きな人なら、鶴翼の陣とか魚鱗の陣とか、いわゆる陣形というのを一度は目にしたことがあると思うんですよ。戦国大名が合戦で用いたそういうのが、本当はどうだったのかという問題を考える本です。
「戦国の」とありますけれどもまずはそこに至るまでを見るのも大事なので、日本の陣形の歴史についてもいっしょに勉強できます。奈良時代からそれらしいものは存在したとか、他のいろんなものと同じでそもそもは中国から伝わってきたとか、考えたこともなかった情報がどんどん出てきていきなり面白いです。
で、戦国時代の陣形とはいったいどんなものだったのか、そこら辺はネタバレになるので読んでのお楽しみですけれども、これは知ってると知らないのとじゃ大違いですよ。フィクションならなんとなくそれっぽい単語で済ませるとして、本格的なものを読むときや実際の歴史にあたるとき、史料を掘り下げて引っ張り出した結論は間違いなく役に立ちます。事実に迫るという研究上の意味だけでなく、より面白く味わうことができるというエンターテイメント目線から。しかしながらまだまだ研究の余地がある分野ということなので、今後また新しい説が出てくるのも楽しみです。
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乃至政彦『戦国の陣形』(講談社現代新書)
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