<裏表紙あらすじ> あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社に籍を置いていた。人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前、愛知で起きた飛行機事故に関する質問をされる。トラムという動く密室で起きる殺人。その背後に感じられる陰謀。静かだった島田の生活が、その日を機に大きく動き始める。Gシリーズの転換点。後期三部作開幕! 9月17日に「ダマシ×ダマシ」 (講談社ノベルス)の感想を書いた際、本当は(?) この「χの悲劇」 (講談社ノベルス)の感想を先に書かなきゃな、と思ったので、同じ作者の本の感想を続けて書くことになりますが、書いてしまうことにしました。 この「χの悲劇」、出版されたのが2016年5月、手元の記録によると読んだのが2016年7月で、わりとすぐに読んだほうですが、感想を書かずにずっと放置しておりました。 Gシリーズの第10作。 この「χの悲劇」のχ、フォントによって見え方が違うのだと思いますが、英語のアルファベットのXに見えますね。ギリシャ文字のΧ(カイ)です。 もちろん、エラリー・クイーンの「Xの悲劇」 (創元推理文庫)を意識したタイトルですね。 章ごとの引用も「Xの悲劇」 からです。 あらすじに後期三部作、と書かれていますから、この後も「Ψの悲劇」、「ωの悲劇」と続くのでしょうか!? と書いてから気づきました。カバーの見返しのところに、次巻以降の予定にちゃんと書いてありますね... 前作「キウイγは時計仕掛け」 (講談社文庫)(感想ページへのリンクはこちら)が出たのが2013年11月だったようなので、3年半間が空いていますね。 「キウイγは時計仕掛け」 がなんだかシリーズのオールスターキャストみたいな雰囲気でしたが、この「χの悲劇」は、さらに時間が経っている設定で、主人公を島田文子にしています。ダイレクトに真賀田四季を感じられるという意味で、貴重な人物ですね。 そっか、時の流れが重要な要素だったんですね... 事件のほうは、トラムだし、ダイイングメッセージ(?) でXだし、「Xの悲劇」 臭がぷんぷんして素敵ですが、ミステリとしては取り立てて言うほどのことはない感じです。でも、シリーズ読者、あるいは森ミステリィの読者としては味わい十分。 島田とカイの推理(憶測?)だけで、これが真相ということが明示されていませんが、真相は島田の推理通りだと思います。 「知ってしまったけれど、納得できるという気分ではない。世の中の問題の多くはそういうものだ。疑問が解決すれば、また別の疑惑が生まれる。」(269ページ) なんてさらっと書かれていますが、奥が深いのか浅いのか、絶妙な感じです。 ひょっとして、ちょっぴり「Yの悲劇」 (創元推理文庫)に対するオマージュも入っているのでしょうか。 シリーズという点で、やはりある登場人物の正体ことがこの本の重大なポイントですね。 さすがにネタバレ中のネタバレなので書きませんが、ちょっと読んでいる途中にそうなのかな、と思えたので気づいた読者の方多いのではないでしょうか? わざとわかりやすく書かれているのだと思います。 ここで君が出てくるかぁ... なるほど。タイトルもなにか関係が? 時間の経過というのもポイントになっているようですが、次巻の刊行まで、また次巻がかかると嫌だなぁ。100年後とか言われたら、読めません...(次巻以降の予定に書かれているので、そんなに間は空かないとは思うんですが。) 「ダマシ×ダマシ」 の時と同様、いいなあ、と思ったHPがあったので、以下に勝手にリンクを張っています。 ただ、強烈にネタばれしまくっていますので、ご注意ください。 灯台杜と緑の少年
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