「デカメロン」 ボッカッチョ作 平川祐弘訳 (河出文庫) ペストから逃れた男女10人が、交代で10日間にわたって全100話を物語ったものです。 河出文庫が読みやすくておススメです。今回は河出文庫版の下巻を紹介します。
河出文庫「デカメロン」下巻には、第八日から第十日まで30話のが入っています。 それぞれのテーマは以下の通り。最後に「著者結び」が付きます。 第八日は「相手におこなった悪さやいたずらの話」、第九日は「自由テーマ」。 そして最終の第十日は「立派なことをおこなった話」で、本書は閉じられます。 第八日の1話は、私のお気に入りです。ドイツ傭兵グルファルドの悪戯の話です。 彼が裕福で美しい夫人に愛を告白したところ、夫人からお金を無心されました。 彼はいかにしてお金を調達したか? そして、いかにして夫人を愚弄したか? グルファルドは身勝手ではありますが、その策略がとても鮮やかなので許せます。 第八日の7話は、阿刀田も田辺も取り上げていますが、私は共感できません。 いくら自分がひどいめにあったからって、学者の復讐はやりすぎですよ。 第八日の8話も面白い。親友と妻の浮気現場を見た男は、どんな復讐をしたのか? こういう復讐だったら、まあいいでしょう。そして、結末には驚きます。 「俺たち二人の間で違うのは家内だけだった。これからはそれも共有することに しようじゃないか」(!)(P133) 第九日は再び「自由テーマ」です。その2話は傑作。ある尼僧院での話です。 ふしだらな尼僧をしかる尼僧院長が、頭にかぶったのは男もののパンツで・・・ 10話もサイコーです。ある司祭が、インチキな魔法をほどこす話です。 司祭は、ある男の依頼でその妻を馬に変えるため、彼女に尻尾をつけて・・・ さて、とうとう最終日の第十日です。テーマは、立派なことをおこなった話です。 さんざんバカ話を披露してきたボッカッチョも、最後を美談で飾りたかったのか。 そこに、ボッカッチョの弱さを感じてしまい、少し悲しいです。 私としては、最後は思いっきりバカ話をして、締めくくってほしかった! 第十日の4話は、愛する人妻を生き返らせた騎士の物語です。 埋葬された夫人から、鼓動が聞こえたため、彼女を家に連れて帰り・・・ その夫の前で、この女は自分のものだと、筋道立てて主張するジェンティーレ。 反論が無いにもかかわらず、ジェンティーレが取った賞賛すべき行動は・・・ 確かに立派な行動ではある。しかし、どこか無理をしていて不自然さを感じます。 彼には、もっと「デカメロン」っぽく、欲望のままに行動してほしかったです。 そういえば、ボッカッチョ自身も、人生の最後には神を信じたのではなかったか。 勝手ながら、そこに「デカメロン」とボッカッチョの限界を感じてしまいました。 さて、「デカメロン」を読んだら、「カンタベリー物語」も読みたいです。 幸い、岩波文庫から、分かりやすい訳が出ています。 さいごに。(結局プレゼントは) 娘の誕生日のプレゼントは、結局、お風呂で見られるDVDプレイヤーです。 やれやれ。これからは、うちの女衆のお風呂時間が長くなりそうだ。↧







