今日の本 「脳は記憶を消したがる」(前野隆司/フォレスト2545:13年)
3月に前書「「死ぬのが怖い」とはどういうことか」を読みましたが、
前野氏の新書が出ていたので手にしました。
といっても、本書、未読の「記憶」をベースにした、再リリースとのこと。
オビには、「記憶力は重要ではなかった」との文字が。
著者の前野隆司さんは、東京工業大学大学院修士課程修了後、キヤノンを経て、
現在は慶應義塾大学大学院教授とのこと。
バリバリの理系、技術系の教授でありながら、かなり哲学にも踏み込まれています。
本書、4章から構成。
記憶~記憶と学習のメカニズムを前半で解き明かし、後半ではタイトルに
あるように、記憶を消したがる脳に迫ります。
著者のユニークなエピソードを交えた語り口、ナイスでした。
(液体の飲み方を忘れたというエピソードにはかなり驚きましたが)
結論としては、
・記憶力の低下は、脳が不要と判断
・人は記憶を捨てれば幸せになるようにできている
あたりでしょうか。
何だか達観されている前野氏。
私はまだまだその域にないのですが、もう少し年を取れば、そのような境地に
達することができる?
さて、前野氏。来月には講談社の現代新書から、新作が登場予定。
こちらも読まねば。
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今日の本 「脳は記憶を消したがる」
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