小説「有頂天家族」　（森見 登美彦）

【あらすじ】
「面白きことは良きことなり！」が口癖の矢三郎は、狸の名門・下鴨家の三男。宿敵・夷川家が幅を利かせる京都の街を、一族の誇りをかけて、兄弟たちと駆け廻る。が、家族はみんなへなちょこで、ライバル狸は底意地悪く、矢三郎が慕う天狗は落ちぶれて人間の美女にうつつをぬかす。世紀の大騒動を、ふわふわの愛で包む、傑作・毛玉ファンタジー。（幻冬舎文庫より） -------------------------------------------------------- 作品お気に入り度　★★★☆☆ 挿絵お気に入り度　☆☆☆☆☆※挿絵なし ＊非ＢＬ作品 感想。。。 今年の夏か秋頃？？？アニメ化されると知り、アニメサイトのあらすじ等が面白そうなので原作を読んでみました。 世界観が分かるまで正直、最初はちょっと物語に入りづらく、（現在、過去と視点が結構変わる）そのせいか、なかなか読むペースが進まなかったので歯がゆい感じで読んでたのですが、矢三郎達の父親狸の死の真相が明らかになってくる辺りから一気に物語に引き込まれていきました。 全体的には愉快で阿呆な狸達の物語ではあったのですが、（そのあたりの様子がちょっと退屈でもあった＾＾；）父親狸の死が最後まで話に絡んでくるので、ミステリー風な展開も味わえて、読み終えた後は、“面白かった”っていう感想を持ちました。 父親狸の死の真相も何度もドンデン返しがあるのだけれど、真相が明らかになっても、また、何度もドンデン返しがあって矢三郎達がどうなっちゃうのか、最後までドキドキハラハラでした。 下鴨狸兄弟達の力を合わせた奮闘がいいね。 まったく役立たずだった次男が立ち上がった時はおぉ～！！となりました。 チビッ子泣き虫四男もめちゃくちゃ可愛かったし＾＾ 皆んなで母親狸を守ろうとする一途さにも感動でした。 父親狸が下鴨狸兄弟達に残した言葉に思わず涙腺がゆるみそうになっちゃった。 いろいろ感じさせてもらえる物語だったけれど、何より、多少、とんでもない事が起こっても、動揺せず、明るくおおらかに前向きに生きる事の大切さを教えてもらえた読後でした。 アニメもとても楽しみです。 ⇒アニメ「有頂天家族」公式サイト