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火車

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火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1998/01/30
  • メディア: 文庫
刑事の本間は職務中に怪我を負ったため、休職してリハビリを受ける日々を過ごしていた。 妻に先立たれ、息子の智と暮らしていた。 そんな本間のところに、妻のいとこの息子栗坂が相談にやってくる。 関根彰子という女性と婚約していたのが、突然いなくなったため彼女を探して欲しいということだった。 今までクレジットカードを持っていなかった彰子に、カードを作るよう栗坂が勧めたところ、彰子は以前に自己破産していたことがわかった。 それを彰子に告げたとたん、何も言わずに行方をくらましてしまったという。 休職中の本間は、時折同僚に助けてもらいながら、こつこつと親戚のために関根彰子の痕跡を追っていくのだった。 すると関根彰子という女性は、栗坂の婚約者とは別人で、やはり2年前から失踪していることが判明する。 栗坂の婚約者は本当は誰で、関根彰子は今どこにいるのか? ◇ ◇ ◇ 20年以上前に書かれた小説ですが、今読んでも違和感なくとてもおもしろいです。 本間が関根彰子を調べていけばいくほど、謎が深まっていくところが読者を惹きつけます。 火車は「かしゃ」と読むのですが、いわゆる「火のくるま」のことだと思っていいでしょう。 カードローン、消費者金融の地獄にひっかかった女性がよく描かれています。 失踪した女性の部屋を訪ねたとき、謎のポラロイド写真がみつかって、それから糸口がほぐれていくんですよね。 謎の写真がぽろりと出てくるというのは、よくミステリーではありますが、ホントわくわくしますね。 宮部みゆきの作品の中でも特別おもしろかったです。

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