「自負と偏見」 オースティン 新潮文庫 持
本の整理で見つけました。こんなものを持っていたのを忘れていました。
20代の頃読んで、わりと読めたことは覚えているのですが、話の方はほとんど忘れていて、今回読み直しました。
話はシンプルで、主人公のエリザベスと姉のジェインが、結婚するまでの物語で、その間の誤解やすれ違いを描いたものだが、恋愛描写はわりと少ない。(タイトルがぴったりきました)。
これといった事件も起こらず、どういう展開で進んでいくのかと思っていたが、会話がおもしろく(訳が良いのか)読み進められる。
登場人物が好きだ。エリザベスもだけどやっぱりダーシー。
そんなに嫌な人だとは思えなく(ビングリーの親友だから)、世渡り下手と自分で言っているようなところは親しみを感じた。
最初の登場から、エリザベスの相手だとわかって興味津々。ウィカムとどう評価が逆転していくのか楽しみだった。
下巻は一気に読めておもしろい。
ダーシーが愛を告白する場面はほんとに大笑いしてしまった。
終わりの方のエリザベスとキャサリン夫人とのやりとりも痛快だ。
著者のオースティンが200年以上前の人だと知って驚いた。フランス革命の時14歳だったそうだ。
国は違うが、動乱の時代というのは予想できて、こんな時に、こういう平和で平凡な日常の話を描かれていたことにも驚いた。
当時の人間も今と変わらない感情で生きていたと思える。(やっぱり訳が読みやすい)
どの人物も身近にモデルがいそうなぐらい、親近感があって、生き生きしている。
200年も読み継がれていく作品というのが納得できました。
「黒衣の花嫁」 コーネル・ウールリッチ ハヤカワ文庫 持
持っている本の整理で十何年ぶりかで読みました。
ミステリーです。話の筋は忘れていましたが、何となくわかります。
犯人は分かっています。要はなぜか?というのがポイントなのですが、最後であっと言わされてしまいました。
主人公があまりに哀れで、読後感がつらいです。
情景描写などは良くて、ミステリーとしては良いかもしれませんが、好みでなかったです。
「宝島」グイン・サーガ外伝17 栗本薫 ハヤカワ文庫 持
これも、途中で挫折したのを、読み直しました。(十年ぶりぐらい?)
若き日のイシュトヴァーンの冒険話で、「幽霊船」「マグノリアの海賊」に続く完結編です。(この2冊は手放してしまいました)。
以前、上巻の終わりぐらいで挫折したのですが、やっぱり読まなくても良かったかなと思うぐらい、内容が薄かった。
文章が冗長で、下巻で宝が見つかった(見つかるまでも)場面もあっけなく、ドラマがない。
イシュトヴァーンの心理も登場した本編1巻から思うと、後付けみたいな感じがします。
下巻の丹野忍さんの表紙イラストはすごく気に入っています。
宝島 (下)―グイン・サーガ外伝(17) (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 栗本 薫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2002/11
- メディア: 文庫