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読書を楽しむ「イバン・レピラ 深い穴に落ちてしまった」

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020.JPG 北には山脈が横たわり、海ほどもある湖が ぐるりと囲んでいる森 そのまん中に穴がひとつ、口をあけている 深さはおよそ7メートル 穴は入り口が狭く、底が広くなっていた 黒ずんだ地下水がにじみ出ている 身体の大きい兄と小さい弟がその穴に落ちてしまった 大人の寓話であると書かれている。 穴は何を意味しているのか、兄と弟の会話も何か意味しているらしい。 こういうことを意識せずに読んでみた。 森は見えない動物たちがあげる得体のしれないざわめきが空間を埋めつくした。 食い物は母に渡す食い物袋しかなかった。 太陽の位置から正午と思われる時間に、兄が弟を外に放り投げてやると言ったが 兄は壁に激突し、弟は上空から落ちてしまいケガをした。 穴に落ちて24時間がたっていた。 母に渡す袋には、パンと乾燥トマトとイチジク、チーズの固まりが入っていた。 兄は弟のために、つぶしたアリやカタツムリ、黄色いイモムシ、柔らかい木の根 ちっぽけな幼虫を穴の中から見つけ出した。 ふたりは泥の味がする水を飲んで、それらを食べた。 3日目に穴の中の生活の日課ができた。 弟は夢を見るようになった。 食べちゃいけないものを食べたり、母さんが出て来たり・・・こわい夢を見た。 穴に落ちて1週間、聞きなれない音がした。オオカミが穴をのぞきこんでいた。 太陽が4日間灼熱の日差しを注ぎ、穴の水を干上がらせた。 ふたりはふらふらになって倒れた。その時、雨が降り始めた。 雨は2日後にやんだが弟が肺を悪くした。 土色の顔をしてやせ細り、息をしているだけの肉の塊になった。 兄は看病し、命を支え続けた。 弟は栄養失調で骨と皮ばかりになってきた。 そして、自分がどこのだれなのかわからなくなり催眠状態におちいった。 穴に落ちて5週間がたった。眠れない兄は星の数を数えて過ごした。 穴の中の食べ物を漁ってきたせいで、口にできるものが日に日に少なく なってきた。 弟は発作で土をつかみ取ると、口に放り込むようになった。 兄は屍みたいにやせ細り、風が吹けば浮き上がってしまいそうな弟を 再度、放り投げる決意をした。 欲しいものが手に入る生活をしている日本人が深い穴に落ちたらどうするか? 助けてと言っても助けてくれるひとはいない。 精神状態も当然おかしくなる。 それでも絶対に出てやろうと考えなければ土に還るだけで終わる。 極限の状態の中でも大切なものをさがせ。 幸せを見つけろ。 寓話であるならいろいろ考えられる。


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