終戦のエンペラー

映画、です。 「終戦のエンペラー」で、この題材で、アメリカ映画なんですね。 「シネマトゥデイ」HPから引用します。 ストーリー：1945年8月30日、連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の司令官としてダグラス・マッカーサー元帥（トミー・リー・ジョーンズ）が日本に上陸。彼は日本文化に精通している部下ボナー・フェラーズ（マシュー・フォックス）に、太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を下す。わずか10日間という期限の中、懸命な調査で日本国民ですら知らなかった太平洋戦争にまつわる事実を暴き出していくボナー。ついに最大ともいうべき国家機密に近づくが、彼と敵対するGHQのグループや日本人たちの一団が立ちはだかる。 チェック：岡本嗣郎のノンフィクション「陛下をお救いなさいまし 河井道とボナー・フェラーズ」が原作の歴史サスペンス。進駐軍を率いて終戦直後の日本に降り立ったマッカーサー元帥から、太平洋戦争の責任者追究を命じられた男が衝撃の事実にたどり着く姿を息詰まるタッチで追う。監督に『ハンニバル・ライジング』のピーター・ウェーバー、出演に『メン・イン・ブラック』シリーズのトミー・リー・ジョーンズ、日本を代表する俳優西田敏行ら、国内外の実力派が結集。終戦をめぐる謎の数々に肉迫した物語に加え、日米の名優たちが見せる妙演も見ものだ。 「太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を下す」とありますが、正しくは、天皇陛下に戦争責任があったかどうか、を調べるのが任務です。 また、「彼と敵対するGHQのグループや日本人たちの一団が立ちはだかる」というのも、あまり印象に残っていません（そういうシーンもありましたが）。 印象深いのは、やはりボナーのラブストーリーですね。ありふれている、といえばありふれているのですが、印象に残りました。タイトルから想像していなかったからでしょうか。 本筋のはずの調査自体が、行き当たりばったりというか、きちんと調べているようには見えないから、余計ラブストーリーに目が行ったのかもしれません。 本当に、ちゃんと調べろよ、ボナー!　都合よく、関係者が出頭したりして証言が得られたりするだけでは、また、自分のプライベートな調査にかまけていたりしては、10日なんて限られた時間に、普通は結果は得られないぞ!! 日本という国家の最高位に位置していた天皇は、外見上は責任がなかったとは言えないのに－－たとえば、会社の不祥事では特に本人は関与していなくても社長が責任をとって辞任したりしますよね－－史実として、昭和天皇は東京裁判で裁かれていません。 厚いベールに包まれ、実態に迫れないこの天皇の戦争責任という謎を、ボナーがどう乗り越えたか（解いた、というのではありません）、ということに興味を持つところですが、そのきっかけがそのラブストーリーというのは、なかなかハリウッド映画的ではないでしょうか。物語としては悪くないですね。史実としてとらえると、そんなことで日本の国体の行く末が決まったのか、とちょっと慄然としますが．．．（笑）。 クライマックスは、やはり、マッカーサーと天皇陛下との面談、となるわけですが、ストーリーの流れもあって、なかなかに感動的なシーンになっていました。トミー・リー・ジョーンズのマッカーサーも、いい感じでした。 ＜おまけ＞ それにしても夏八木勲って、目を惹きつけられるというか、目を奪われるというか、なんかすごい存在感でしたね。宮内次官という結構地味目の役だったんですが．．．