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水力発電が日本を救う

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『水力発電が日本を救う』 竹村公太郎 2016/09 水力発電が日本を救う 著者は元国交省河川局長。 今あるダムの活用で年間2兆円の電力を増やせるという本。  今の日本のダム湖には、水が半分程度しか貯まっていない。それは、法律で決まっているからだ。  「特定多目的ダム法」という法律がある。これには主に2つの目的が記されている。「利水」と「治水」である。利水のためにはダムの水は多いほうが良く、治水のためには少ないほうがいい。矛盾した2つの目的があるため、両者の折衷案として、ダムは半分くらいしか水を貯めていない。  天気予測の発達で、台風などの大雨が来る直前にダムを空ければ、十分に洪水は防げる。なぜ、そのようにダムを運用しないのか。理由は多目的ダム法に規定され制約を受けているからだ。この法律は1957年に制定されて以来、根本的には一度も改正されていない。つまり、59年前の社会事情に合わせたルールとなっている。  元役人だからよく分かるが、行政にとって、こうした運用は非常に苦手な分野なのである。理由は簡単、ハードには予算が付くが、ソフトにはあまり予算が付かないからだ。  「河川のエネルギーは最大限、これを活用しなくてはならない」。河川法の第1条にこうした文言を加える。こうした改正が今求められている。現在の日本でダムの発電能力が十分活かされていない原因の一つが、河川管理者の消極的な姿勢にあるからだ。  ダムは半永久的に壊れない。ダムのコンクリートには鉄筋がない。ダムのコンクリートは、天然の凝灰岩と同じく、100年、200年と年代を経るにつれて堅くなる。  発電設備のないダムも多い。非常にもったいない。  古いダムの有効利用の一つが「嵩(かさ)上げ」。10%の嵩上げで、電力は倍になる。  現在、日本の水力発電の割合は9%ほど。潜在的な発電能力を引き出せば30%まで可能だ。少なく見積もっても、毎年2兆円の電力となる。つまり、ダムとはこの先100年で、日本に200兆円を超える富を増やしてくれる巨大遺産なのだ。


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