「The MANZAI 4」あさのあつこ
歩に、想い人・メグからの恋の相談が…!?
読了日:2013.8.11
分 類:中編
ページ:216P
価 格:540円
発行日:2007年11月
出版社:ジャイブ(ピュアフル文庫)
評 定:★★★
●作品データ●
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主人公 : 瀬田 歩
語り口 : 1人称(ぼく)
ジャンル: 児童文学/小説一般
対 象 : 児童~一般向け
雰囲気 : ユーモラス
結 末 : 微妙に完結
イラスト : 宮尾 和孝
カバーデザイン : 片岡 忠彦
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【100字紹介】
漫才コンビ・ロミジュリの夏祭り出演が終わった。
頭が真っ白になってしまい、記憶が残っていない歩はひたすら後悔するが、
周りの評判は悪くない。落ち込む歩に、メグが恋の相談を…!?
コミカル青春ストーリー第4巻 タイトル通り、シリーズ第4弾です。 前巻で盛り上がって、やることになった夏祭り、 ロミジュリと愉快な仲間たちでイチから作り上げてしまったようです。 本巻ではすっかりそれが終わってしまった後からお話が始まります。 肝心要だろう!?というところが巻の間になって抜けてしまう、 というパターン、「バッテリー」でも多かったですが、 もしかしてあさのあつこさんの作品はみんなそうなのでしょうか…。 いや、きっと世間一般的にその題材なら、ここが「肝心要」でしょ?、 というのと、著者が「本当に」書きたいところ、 それがずれているのでしょうね。 著者としては書き落としたというより、それは書きたいことでもないので 行間の中で割愛させて頂きました、といったところでしょうか。 それにしても、器用です。 一人称の人物が、夏祭りの漫才は失敗だった、と認識しているのに、 実際のところは悪くはなかった、というのを表現する、というのは 恐ろしく骨が折れることではないかと思うのです。 語り手が思っていることと違うことを表現しなくてはならないなんて! 三人称語りなら全然難しいことではないと思うのですが。 さて、いつもの「ロミジュリ」とそれを取り巻く仲間たち。 その中で前巻でカップルになった高原&森口に、 どうやら問題が勃発したようです。 ドタバタの中、急接近する蓮田&篠原。 あー、青春ですねー。いいなあ、羨ましいなあ。 今回も考えてみると、殆ど動きません。 夏祭り打ち上げと、歩の部屋での一連の話し合い、 それで殆どのページが終わります。 すっかりインドア派の小説になっています。 でも内容は、ありえそうな自然なシチュエーションの心情を 丁寧に描いていて、何か良い話的な。 ただ、表現がちょっと丁寧すぎるかな、という感じ。 もう少し、婉曲的だったり、会話よりも雰囲気で読ませる、 という大人な描き方が結構好きなのですが、 対象年齢が低めを想定しているのと、 会話重視の作品だから、ということでしょうか。 しかし、歩はすっかり成長しましたね。 「ま、いいか」を学習した歩のこれからの更なる成長が楽しみです。 --------------------------------- 文章・描写 :★★★ 展開・結末 :★★★ キャラクタ :★★★ 独 自 性 :★★★ 読 後 感 :★★★ --------------------------------- 菜の花の一押しキャラ…高原 有一 「何があっても一生懸命、考えなあかんことと、どう考えてもしゃあないから
テキトーにほかさなあかんことと、世の中、この二つがあるねんな」(秋本 貴史)
頭が真っ白になってしまい、記憶が残っていない歩はひたすら後悔するが、
周りの評判は悪くない。落ち込む歩に、メグが恋の相談を…!?
コミカル青春ストーリー第4巻 タイトル通り、シリーズ第4弾です。 前巻で盛り上がって、やることになった夏祭り、 ロミジュリと愉快な仲間たちでイチから作り上げてしまったようです。 本巻ではすっかりそれが終わってしまった後からお話が始まります。 肝心要だろう!?というところが巻の間になって抜けてしまう、 というパターン、「バッテリー」でも多かったですが、 もしかしてあさのあつこさんの作品はみんなそうなのでしょうか…。 いや、きっと世間一般的にその題材なら、ここが「肝心要」でしょ?、 というのと、著者が「本当に」書きたいところ、 それがずれているのでしょうね。 著者としては書き落としたというより、それは書きたいことでもないので 行間の中で割愛させて頂きました、といったところでしょうか。 それにしても、器用です。 一人称の人物が、夏祭りの漫才は失敗だった、と認識しているのに、 実際のところは悪くはなかった、というのを表現する、というのは 恐ろしく骨が折れることではないかと思うのです。 語り手が思っていることと違うことを表現しなくてはならないなんて! 三人称語りなら全然難しいことではないと思うのですが。 さて、いつもの「ロミジュリ」とそれを取り巻く仲間たち。 その中で前巻でカップルになった高原&森口に、 どうやら問題が勃発したようです。 ドタバタの中、急接近する蓮田&篠原。 あー、青春ですねー。いいなあ、羨ましいなあ。 今回も考えてみると、殆ど動きません。 夏祭り打ち上げと、歩の部屋での一連の話し合い、 それで殆どのページが終わります。 すっかりインドア派の小説になっています。 でも内容は、ありえそうな自然なシチュエーションの心情を 丁寧に描いていて、何か良い話的な。 ただ、表現がちょっと丁寧すぎるかな、という感じ。 もう少し、婉曲的だったり、会話よりも雰囲気で読ませる、 という大人な描き方が結構好きなのですが、 対象年齢が低めを想定しているのと、 会話重視の作品だから、ということでしょうか。 しかし、歩はすっかり成長しましたね。 「ま、いいか」を学習した歩のこれからの更なる成長が楽しみです。 --------------------------------- 文章・描写 :★★★ 展開・結末 :★★★ キャラクタ :★★★ 独 自 性 :★★★ 読 後 感 :★★★ --------------------------------- 菜の花の一押しキャラ…高原 有一 「何があっても一生懸命、考えなあかんことと、どう考えてもしゃあないから
テキトーにほかさなあかんことと、世の中、この二つがあるねんな」(秋本 貴史)