日常の中にささやかな喜びを見つけることができるというのは、年齢を重ねた者の特権である。若い間は、そんなことは目に入らないし、もっともっとと求めるものがあるからだ。 子どもの頃は、日本全体が貧しかった。食べ物のことで文句をいうなどはありえず、食べられればとりあえずそれでよい、という時代だった。私自身は好き嫌いがとても多かったので、貧しい時代には生きてゆくのが難しい子どもだった。 しかし、卵と海苔のおかげでちゃんと生き延びていくことができた。海苔は味付け海苔も焼き海苔も好きだったし、今でもそれは変わらない。 今の時代はなんでも食べられるが、そういう豊かな時代と、選択肢がなく、たまに口にできるものが大変なご馳走に思えた時代と比較して、どちらが幸せを感じることができるかと言う問題は、意外に難しいのだ。 食欲がない時は、子どもの頃に好きだったものを食べるのが、生きている実感を感じられる手っ取り早い方法だ。 みなさんは、自分を回復できる食べ物がありますか。
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