ジェフリー・ディーヴァーの短編小説第二弾。全16作品。
彼の作品のどんでん返しは当然ある。誰がどんな理由で裏切ってくるのかを推測しながら読む楽しさがる。短編だから、それがし易くて面白い。
表題のポーカー・レッスンは、あまり面白くなかった。
良かったのは、通勤列車、生まれついての悪人、一事不再理、冷めてこそ美味、のぞき、36.6度、遊びに行くには最高の街
リンカーン・ライムがでてくるローカルの原理もよかったけれども、微細証拠の積み重ねがないというか強引な印象。
ネタバレあり
良かった作品の中で、一番は「のぞき」
しがない男が、引っ越してきた女性に一目惚れ。女との接点を探っていると女の部屋をのぞいている男を発見。それをきっかけにお近づきになろうとする。女が外出するタイミングで、のぞき魔を叱責しようとすると、女がのぞき魔を射殺。女が男に荷物を預けて立ち去る。あっけにとられる男を警察官が組み伏せて、男は逮捕される。女は麻薬密売人。張り込みをしていた警察官を、男はのぞき魔と勘違い。
男がのぞきをしていることを、女が警察に相談していて、おとり捜査的な展開なのかと思いきやの、射殺から男逮捕され、女が密売人で、男はのぞき魔だろうという推測はあたっていたけれどもストーカー的な変質者であった。一歩も二歩も先を越されていた展開が良かった。
次は、通勤列車。
知らぬ間に犯罪者に仕立て上げられてしまう男の話。
最後に、悪人側が勝つというか優位になって終わるのだけれども、恐怖感あるどんでん返しの結末がよかった。
それ以外にも、善人が恐怖を感じる場面で終わるのが、音と節、一事不再理、ウェストファーレンの指輪、監視、動機、トンネルガール、コピーキャット、36.6度。
ウェストファーレンの指輪には、シャーロック・ホームズが登場する。ホームズ登場で犯罪者を懲らしめてくれるのかと思いきやホームズも見抜けないのはがっかり。悪人優位の展開から逆転するのを期待していたのだけれどな。ディーヴァーは、007白紙委任状でジェームズ・ボンドを書いてるから、次はシャーロック・ホームズでも書く前ふりなのか!?
ライムシリーズのような警察が勝つ!ではない恐怖に拘った短編小説。
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