時を生きる種族 (ファンタスティック時間SF傑作選) (創元SF文庫)
- 作者: R・F・ヤング
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2013/07/20
- メディア: 文庫
評価:★★★
同じ編者による、「時の娘 ロマンティック時間SF傑作選」に続く
時間テーマSFアンソロジーの第二弾。
本邦初訳を含む全7編、しかも全作が雑誌掲載のみで
短編集等の書籍へは未収録のものばかりという、レア品ばかりである。
「真鍮の都」(ロバート・F・ヤング)
時間エージェントのビリングスは指令を受け、
9世紀の宮殿から『千一夜物語』の語り手・シェヘラザードを連れ出すが、
トラブルが起こって、見知らぬ謎の世界へ飛ばされる。
元の世界へ帰ろうと謎の世界で奮闘する内に二人は恋に落ちるが・・・
うーん、ちょっとラストが唐突かなあ。もう少し書きようがあるような。
もっともっと感動的に盛り上げられそうな気がするんだけど。
枚数(向こうじゃ単語数だっけ?)の制限でもあったのかな。
「時を生きる種族」(マイケル・ムアコック)
すみません。よくわかりませんでした。
ムアコックは、私にとってはヒロイック・ファンタジーの人。
「恐竜狩り」(L・スプレイグ・ディ・キャンプ)
もうひとひねりあると思ったんだけどね・・・
「マグワンプ4」(ロバート・シルヴァーバーグ)
コメディSFだね。彼が「小説工場」って呼ばれるくらい、
ものすごく多作だった頃の作品だと思うんだけど、よくできてる。
大学時代には、シルヴァーバーグはけっこう読んだなあ。
「地獄落ちの朝」(フリッツ・ライバー)
すみません。よくわかりませんでした。
フリッツ・ライバーは、私にとってはヒロイック・ファンタジーの人。
「緑のベルベットの外套を買った日」(ミルドレッド・クリンガーマン)
コレもある意味「時を超える愛」かな。
嫌いじゃないけど、今ひとつの印象。
「努力」(T・L・シャーレッド)
デビュー作が最高傑作だった、という「一発屋」らしい。
時空を超えて過去を見ることができる機械を使って
過去の風景を映画に撮る、ってのは他にもあったような。
「テクニカラー・タイムマシン」だったかな?
だけど、この作品のキモは
「歴史をそのまま切り取って作った映画」をつくることではなく、
作ったその映画を使って、主人公二人組が企む "あること" なのだ。
確かに良くできてる佳品。
ちょっと作風が小松左京に似てるような気がする。