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『新版 歯から始まる怖い病気』

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『新版 歯から始まる怖い病気』 波多野尚樹 2012/02 新版 歯から始まる怖い病気(祥伝社新書265)  著者は波多野歯科医院院長。 虫歯・歯周病が引き起こす病気と、インプラント治療についての本。  20年ほど前は、抜歯の理由の6割が虫歯だった。現在は虫歯による抜歯は3割、歯周病が6割。1割は事故など。  人間の歯は親知らずを含めて32本。日本人は65歳から70歳の間に平均十数本の歯が抜ける。原因は圧倒的に歯周病。  アルツハイマー型認知症の老人は、健康な人に比べると、歯の数が1/3しか残っていない。歯の喪失数が多いほど脳の萎縮程度が上昇している。  歯の内部には、動脈、静脈、三叉神経が通っている。  江戸時代の咀嚼回数は1500回と現代の2倍。鎌倉時代は2600回、弥生時代は4000回だという。時代を遡るほどに咀嚼回数は増えている。  虫歯は虫歯菌と総称される細菌による感染症である。1970年代にミュータンスレンサ球菌が特定された。  がん治療の影響などで唾液が出ない人が虫歯になると、命の危険になる。通常は細菌の侵入を唾液が阻止するが、唾液がないと細菌は簡単に虫歯の穴から血液中に入り、全身に運ばれる。  歯磨剤を多く使う人ほど歯が悪いという。ミントの香りなどで爽快感を感じ、歯を磨いたという達成感を感じるのが問題。  歯周病の原因は嫌気性グラム陰性菌。歯肉や骨などが壊される。子供に歯周病が少ないのは新陳代謝が活発だから。  1950年代にスウェーデンでチタンと骨がくっつくということが発見され、1965年に最初のインプラント治療が行われた。完全にチタンと骨が一体化するのに2年程度かかる。


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