◇ 隠れメタル読了本 期間 : 2013年08月 読了数 : 11 冊 | |
谷崎 潤一郎 / 中央公論新社 (2005-09-25) 読了日:2013年8月29日 『紀伊国狐憑漆掻語』の「さあ行こら」「さあ行こら」という呼びかけが蟲惑的で引き込まれそうになる。本の表題『聞書抄』は滅びの美と盲目を結びつけた谷崎お得意の一品だが、解説にもあったように、表現形式に苦難のあとがあり、他の盲目物に比べると完成度は落ちる。とはいえ十分面白い。秀次正室を思慕する盲目の法師。 | |
ケン ウィルバー / 青土社 (1990-08-10) 読了日:2013年8月25日 合理的な心をそのままに超越する超合理と、合理的な心以前の迷信である前合理の混同が、宗教についての問題をややこやしくしているのだろうな。とはいっても、この2つの見分け方は難しいよね。 | |
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-02) 読了日:2013年8月20日 年月は人のありようをいろいろに変えることを描写したちょっと切ないような哀愁漂う最終巻だった。それにしてもおはるが先に逝くとは。大治郎とか三冬は小兵衛をちゃんと看取ることができたのかな?それだけがちょっと知りたかったな。 | |
プーシキン / 新潮社 (1954) 読了日:2013年8月17日 歴史ものだが、洒脱な感じ。あとヴォルテールの影響を受けたことがあるということで、だからか「情けは人のためならず」的な部分が描かれており、また、拷問について“よりよき而して最も鞏固な変革は、一切の暴力的戦慄を伴わぬ習慣の改善からのみ生ずるものにほかならないことを。”と主人公に書かしめている。 | |
野口 晴哉 / 筑摩書房 (2003-02) 読了日:2013年8月14日 風邪は治すものではなく、身体の交通整理を行える機会として考える。熱があるときはむしろ温めろ、とかいうのは聞いたことがあるが、熱が下がってから平熱に戻るまで安静にしておく、というのは知らなかった。病気一つしない人よりも、ぐずぐず調子悪くしたりする人のほうが長生きしやすいというのはなんか感覚的にそう思う。 | |
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-02) 読了日:2013年8月13日 めまいを起こした小兵衛のシーンから始まるこの長編、小兵衛が戦う場面があえて描いていないところが何箇所かあったのが印象に残った。秘すれば花ではないけれども、そのあたり想像を掻き立てる。もはや小兵衛の視点というより、周りの登場人物から彼を浮き上がらせる描き方。 | |
ジャレド・ダイアモンド / 草思社 (2012-02-02) 読了日:2013年8月12日 下巻は大陸のそれぞれの歴史を振り返ることになるが、人間の広がり方というのはえらくめざましいものがあるなあと、驚嘆した。こんなに広がりを見せている動植物が他にあるだろうか? | |
ジャレド・ダイアモンド / 草思社 (2012-02-02) 読了日:2013年8月9日 文明や征服の差がなぜ起こったのかということを上巻では農耕を中心に論じられている。それによれば地理的な要素がかなり大きいような印象を受けた。この差がのちに文明社会の格差を生み出してゆくのだろうか。下巻はどういう話になるのだろう。 | |
池波 正太郎 / 新潮社 (2003-02) 読了日:2013年8月5日 長編。この巻では秋山父子は脇役なのであるが、それにしても小兵衛の描かれ方に時の流れを感じる。 | |
野村 進 / 講談社 (2007-04-21) 読了日:2013年8月3日 浅野誠医師の精神病に関する私的考えがひどく興味深い。AM受信機とFM受信機の喩え。アトポーシスの喩え。しかしながら、だからこそ彼らも人類には必要なのだという考え方。 | |
荒山 徹 / 講談社 (2010-12-15) 読了日:2013年8月1日 すごくアホみたいなシーン満載なんだけど、だんだん毒が回ってきているらしくそれが中毒になってきた。第三部光海君のセリフがちょっとぐっとくる。 |
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2013年8月
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