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重役にだけ許されていた60歳過ぎの労働がすべての人に:未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

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未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

  • 作者: ちきりん
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/06/12
  • メディア: 単行本
昭和の時代(人によっては今でも)、日本では「長く働くことが出来る」というのはステータスだった。 大企業だと公式の定年は60歳でも、女性は結婚・出産するとやめるのが当然だったし、中間管理職は50歳代で定年を迎えて子会社に天下る。60歳を過ぎて働くことが出来るのは、役員になれた人だけだ。 さらに、医師や弁護士といった士業は「一生働くことが出来るから」という理由で親が子供に薦めていたケースもごく普通に存在した。 ところが、その環境は逆転し、今や70歳まで働くというのは当たり前。 早期リタイアの方が望んでも得難い環境となってしまった。 本書は、そうした時代背景の変化を捉えて、各人に”働く”ということをもう一度考えさせる内容だ。
【目次】
〈序章〉 ”働き方本”ブームが示すモノ
〈第一章〉現状維持の先にある未来
〈第二章〉世界を変える3つの革命的変化
〈第三章〉新しい働き方を模索する若者たち
〈第四章〉「ふたつの人生を生きる」
〈第五章〉求められる発想の転換
〈終章〉 オリジナル人生を設計するために
65歳雇用は既に決定し、年金や社会保障の状況を見ると定年は更に上昇する傾向を見せつつある。 そうした背景の中で、冒頭に書いたように、労働をめぐる常識はおおきく変化してしまった。 冒頭でも書いたように、労働期間については、”働き続ける”よりも”早期にリタイアする”方が難しくなった。 また、従来の労働人生で一番価値のあるストックは「社歴」だったのだが、現在では「スキル」と「健康」の価値がうなぎ登りになる反面、「社歴」や「社内の人脈」といった価値は暴落している。 とは言え、現在は過渡期なので、銀行で住宅ローンを組む時のように「社歴」がものをいうシーンも残っているのだが、早晩状況は変わっていくだろう。 では、この本を読んだ人はどうすべきなのか? そりゃもちろん、「自分のアタマで考えよう」ってことなんでしょう。 労働に就く期間は長くなり、標準的なケースでは、40年を突破している。筆者の言うように、最初に就職した環境が自分にマッチしているなら、一生そのまま働き続けることはアリだろう。 だが、自分のやりたいことと違っている場合や、今の仕事をしていたのでは自分の大切なモノを犠牲にしてしまう場合は、新たなスタートをきるべきだろう。筆者が言うのは、新たなスタートをきることは難しいものでもなければ、ハイリスクなものでもないというところまで。 そうした考えを受けて、読者がどうすべきかは、自分で考えて結論を出さねばならない。 自分で考えることは厳しいようだけれども、私としては、30代後半の社会人が、自分の手持ちの札でどれだけ違う労働人生を歩むことが出来るか考える。それってすごく素敵なことだと思う。 ☆☆☆☆★(☆4つ半) 他のBlogの反応はこちら。 http://blog.goo.ne.jp/bigupset39/e/a7f3dce023ee53b7ed07686f0c69f57d http://d.hatena.ne.jp/nakorake/20130722/1374501295 http://d.hatena.ne.jp/Takeuchi-Lab/20130607/1370600626 http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2013-06-18 http://blog.livedoor.jp/tkfire85/archives/55567712.html 著者ブログのエントリ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20130820 昔は60を超えて働くことが出来るのは、重役・個人事業主・一部の士業と言った人々の特権だった。今や、多くの人に歓迎されないかもしれないが、60を超えて働くことは当たり前になった。 だったら、せめて、長期間労働を前提にそれをどう楽しむかを考えるのが建設的だろう。

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