「血の収穫」 ダシール・ハメット作 河野一郎・田中西二郎訳 (嶋中文庫) 探偵社の「わたし」が、暴力と犯罪と汚職の街から、悪人を一掃する物語です。 ハメット初の長編で、ハードボイルド小説の代表的な作品として有名です。 私は嶋中文庫版で読みましたが、訳は1960年のもので、しかも現在は絶版です。 本当はハヤカワ文庫の小鷹訳で読みたい。しかし、この名作がやはり絶版です。
コンチネンタル探偵社の「わたし」は、通称「毒の町」に派遣されました。 依頼者の新聞社社長に面会を求めますが、彼はその晩に殺されてしまいました。 殺された依頼者の父エリヒュー老人は、この街の独裁者と呼ばれる実力者です。 彼は数年前、鉱山ストをつぶすために、多くの悪党を街に引き込んだのでした。 しかし、彼らの勢力が増し、街は悪党が跳梁跋扈するようになっていて・・・ 「わたし」は殺人の犯人を探すため、暗黒街のボスたちと対立し・・・ 非情な文体で独自の境地を開いたハメットの、初の長編小説であり代表作です。 淡々ととんでもないことが起こり、淡々と人が死んでいきます。まさに非情。 この小説の魅力も、「マルタの鷹」同様、主人公の「わたし」にあります。 「わたし」=コンチネンタル・オプの魅力が、次のように説明されていました。 「ここに登場する探偵は従来の天才的推理能力に恵まれた超人ではない。非情で 利己的で、女性関係も潔癖とはいえない。しかし、自己の信念は固く守り通し、 しかも行動は敏速で凶暴でさえある。」(P558) 目的のためには手段を選ばない。どんな汚いことでもする。そしてとにかく強い。 私は時に、次々とやられる悪党たちに、同情してしまいました。 このような私立探偵は当時初めて登場し、このような推理小説は革命的でした。 それゆえ、ハードボイルド小説は、ダシール・ハメットを始祖とします。 ただし、ハードボイルドの文体を始めたのは、ヘミングウェイ(だと思う)。 「血の収穫」が出た1929年、ヘミングウェイの「武器よさらば」も出ています。 さて、「血の収穫」は文句なく名作で、かつて多くの文庫から出ていました。 しかし現在は、どこの文庫でも絶版。この状況は、実に嘆かわしい。 「マルタの鷹」を潔く改訳した小鷹氏に、この作品の改訳も出してほしかった。 しかし、小鷹氏は昨年末(2015年12月)79歳で亡くなりました。惜しい。 とりあえず、古典新訳文庫の「ガラスの鍵」を読んでおきたい。 これは、ハメット自身が最も好んでいた作品だというので。 さいごに。(わらびもちサンド) ミスドのわらびもちサンドには、わらびもちが1個しか入っていません。 しかも、食べていると、わらびもちだけがスルスルと抜けてしまいます。 だから、ほとんどわらびもちなしで、食べることになりました。 わらびもちを細切れにして、まんべんなく入れてくれるといいのだけど。↧







